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ドバイ不動産が2026年1月に史上最高の月間取引額──今からでも間に合うか?
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ドバイ不動産が2026年1月に史上最高の月間取引額──今からでも間に合うか?

2026-02-10
2026-02-10 更新

2026年1月、ドバイ不動産の月間取引額がAED 724億(約2.9兆円)で史上最高を更新。前年比+63%の急成長の中身と、オフプラン+128%が示すリスクシグナルを分析。

「ドバイ不動産、まだ上がるの?もうバブルじゃないの?」

——正直に言えば、その両方が同時に起きている可能性があります。

2026年1月、ドバイの不動産取引額がAED 724億(約2.9兆円)で月間史上最高記録を更新しました。前年同月比+63%。しかも2025年通年ではAED 9,170億(約37兆円)、27万件超というとんでもない数字を叩き出しています。

問題は「この列車に今から飛び乗るべきか」です。データを見ながら、冷静に考えてみましょう。

2026年1月の数字が異常すぎる

月間取引額の内訳

まず、何が起きたのか数字で確認します。

指標 2026年1月 前年同月比
月間取引額 AED 724億(約2.9兆円) +63%
プライマリー市場(新規分譲) +90%
セカンダリー市場(中古) +38%
取引件数 +23%
オフプラン取引額 +128%
読者
読者

+128%って、オフプラン取引が2倍以上に膨らんだということですか?

田中(海外不動産アドバイザー)
田中(海外不動産アドバイザー)

その通りです。プライマリー市場の取引件数は+42%なのに、取引額が+90%。つまり単価も上がっている。さらにオフプラン(建設前・建設中物件)の取引額に至っては前年比+128%で、完成済み物件(+49%)を大きく上回っています。資金がオフプランに集中しているのが鮮明です。

Property Finderの報告によれば、「1月は記録的な取引で歴史的なスタートとなった。ドバイ不動産市場が真剣で自信に満ちた買い手を惹きつけ続けていることの明確なサイン」とのことです。

2025年通年の成績表

1月の記録は「2025年の延長線」でもあります。通年の実績を見ておきましょう。

  • 取引額:AED 9,170億(約37兆円)——前年比+20%
  • 取引件数:27万件超——過去最高
  • 投資家数:約19.3万人——前年比+24%
  • 新規投資家:12.9万人——前年比+23%
  • 女性投資家:AED 1,540億を投資——前年比+31%

ドバイ不動産戦略2033では「取引量を70%増やしてAED 1兆に到達する」という目標を掲げていますが、このペースなら2033年を待たずに達成しそうです。

2025年の投資家構成

居住者が全体の56.6%を占めますが、裏を返せば43%以上が非居住者の外国人投資家です。ロシア、インド、中国、英国などからの資金流入が特に顕著で、ドバイの「国際マネーの集積地」としての性格がますます強まっています。

住宅ローン市場も追い風

EIBOR低下でローンが借りやすくなった

ドバイの不動産ブームを支えているのは現金だけではありません。住宅ローン市場も拡大しています。

UAE中央銀行は2025年後半に政策金利を75bps引き下げ、3カ月EIBORは2025年末時点で3.47%まで低下しました。2024年初頭の4%台前半から見れば、かなりの改善です。

読者
読者

金利が下がったことで、実際にローンの利用は増えているんですか?

田中
田中

はい、明確に増えています。2025年Q3だけで住宅ローン取引は約11,500件(前年比+12.7%)、取引額はAED 225億(+19%)に達しました。金利低下に加えて、ゴールデンビザ取得のために「AED 200万のラインを超えたい」という動機でローンを組む外国人投資家も多いですね。

2026年はさらに予測しやすい金利環境になると見られており、住宅ローン需要は引き続き堅調でしょう。

ゴールデンビザと税制が投資家を引き寄せる

「税金ゼロ+10年ビザ」の破壊力

ドバイが世界の不動産投資家を惹きつける最大の武器は、やはりキャピタルゲイン税ゼロ、所得税ゼロ、固定資産税ゼロという税制です。

そしてAED 200万(約8,000万円)以上の物件を購入すれば10年間のゴールデンビザが取得できます。2025年にはローン利用中の物件でも申請が可能になり、以前あった「50%以上の頭金が必要」という解釈も撤廃されました。

読者
読者

ということは、ローンを組んでも物件評価額がAED 200万以上ならビザがもらえるんですね?

田中
田中

そうです。DLD(Dubai Land Department)の評価額がAED 200万以上であれば、ローン残高に関係なく申請できます。オフプラン物件も一定条件を満たせば対象です。配偶者・子ども・両親もスポンサー可能で、UAE国外に6カ月以上滞在してもビザが取り消されないのも大きなメリットです。

日本居住者はご注意

ドバイの税金がゼロでも、日本の税務居住者は日本で確定申告が必要です。賃料収入には日本の所得税が、売却益には譲渡所得税がかかります。「ドバイは無税」という情報だけで判断すると痛い目に遭います。必ず国際税務に詳しい税理士に相談してください。

関連記事:ドバイ不動産投資ガイド

エリア別の最新状況

注目の4エリア

2026年1月時点で投資家の関心が集まっているエリアを整理します。

エリア 特徴 表面利回り目安 コメント
Downtown Dubai ブルジュハリファ周辺、高級路線 4〜5% 資産価値重視。価格上昇が最も大きい
Dubai Marina ウォーターフロント、若手プロフェッショナル 5〜6% バランス型。賃貸需要が安定
Business Bay ビジネス街、新興エリア 6〜7% コスパ重視。これから伸びる可能性
JVC(Jumeirah Village Circle) 中価格帯、ファミリー層 7〜8% 利回り最高水準。ただし値上がり幅は控えめ

これは私見ですが、初めてドバイに投資するなら Dubai Marina か Business Bayをおすすめします。価格と利回りのバランスが良く、賃貸テナントも見つかりやすい。ダウンタウンは華やかですが、投資効率では必ずしも最適解ではありません。

オフプラン+128%が意味すること

チャンスか、バブルの兆候か

ここからが本記事のキモです。

オフプラン取引額が前年比+128%——これをどう読むか。

読者
読者

オフプランがこんなに増えているのは、投機的な動きではないですか?

田中
田中

鋭い指摘です。正直に言えば、投機的な要素はかなり含まれていると見ています。デベロッパーが提示する支払いプラン(頭金20〜30%、残りは完成まで分割)は参入障壁を大幅に下げています。AED 200万の物件が頭金AED 40〜60万で買える計算です。レバレッジが効いている分、市場が反転したときの痛みも大きくなります。

オフプランの支払いプラン例

典型的なデベロッパーの支払いプランはこうなっています。

  • 80/20プラン:建設中に80%、引渡し時に20%
  • 60/40プラン:建設中に60%、引渡し時に40%
  • 50/50プラン:建設中に50%、引渡し時に50%
  • ポストハンドオーバー:30/40/30(建設中30%、引渡し時40%、引渡し後2〜3年で30%)

問題は、2024〜2025年に大量に売れたオフプラン物件が2027〜2028年に完成を迎えること。そのとき市場に大量の新規供給が押し寄せる可能性があります。

2008年ドバイ危機の教訓

ドバイは2008〜2009年にも不動産バブル崩壊を経験しています。当時は物件価格が50%以上下落し、建設中のプロジェクトが次々と中止になりました。現在の規制環境は当時より改善されていますが、「ドバイは常に上がる」という前提は危険です。

日本人投資家へのリアルな提言

「今から」でも間に合うのか

結論から言えば、「間に合う」かどうかではなく「何に投資するか」で答えが変わる

メリット
  • 税金ゼロの恩恵は今後も続く見込み
  • ゴールデンビザの制度は安定している
  • 人口増加と観光需要が底堅い
  • AEDは米ドルペッグで為替リスクが限定的(対ドル)
  • セカンダリー市場(中古)は安定して+38%の成長
デメリット
  • オフプラン+128%は明らかに過熱シグナル
  • 2027〜2028年の新規供給ラッシュで価格調整リスク
  • 利回り7〜8%のJVCも、物件価格が上がれば利回りは圧縮される
  • 円安局面では購入コストが膨らむ(AEDは実質ドル建て)
  • 夏季(6〜9月)は短期賃貸の収入が落ちる
読者
読者

じゃあ、結局どうすればいいんですか?

田中
田中

私ならこうします。まず、オフプランには手を出しません。少なくとも今のタイミングでは。代わりに、完成済み物件のセカンダリー市場(中古)に注目します。+38%成長していますが、オフプランの+128%と比べればまだ冷静です。Dubai Marina や Business Bay の中古1ベッドルーム(AED 100〜150万)あたりから始めて、賃料収入を確保しながら市場の動きを見るのが堅実でしょう。

購入時コストの目安
  • DLD登録料:物件価格の4%
  • エージェント手数料:通常2%(買主負担なしの場合も)
  • 管理費(サービスチャージ):年間AED 10〜30/sqft
  • ゴールデンビザ申請費用:約AED 9,685(約39万円)

まとめ

  • 2026年1月のドバイ不動産取引額はAED 724億(約2.9兆円)で月間史上最高を更新
  • 2025年通年ではAED 9,170億、27万件超の取引で年間記録も更新
  • プライマリー市場+90%、オフプラン+128%と成長は明確
  • EIBOR低下(3.47%)で住宅ローン市場も拡大中
  • ゴールデンビザ(AED 200万〜)の制度改善が投資家を呼び込んでいる
  • ただしオフプラン+128%は過熱シグナル——2027〜2028年の供給増に要注意
  • 日本人投資家はセカンダリー市場の完成済み物件から検討するのが堅実

よくある質問

Q
Q1. ドバイ不動産の2026年1月の取引額はいくらですか?
A

AED 724億(約2.9兆円)で、月間の史上最高記録を更新しました。前年同月比+63%の成長です。

Q
Q2. オフプラン取引が+128%というのは異常ですか?
A

過去の水準と比較して明らかに高い伸び率です。投機的な資金流入が含まれている可能性があり、2027〜2028年の完成ラッシュで価格調整リスクがあります。2008年のドバイ危機では物件価格が50%以上下落した前例もあります。

Q
Q3. 日本人でもドバイのゴールデンビザは取得できますか?
A

はい、AED 200万(約8,000万円)以上の物件を購入すれば、国籍に関係なく10年間のゴールデンビザを申請できます。ローン利用中でも物件評価額がAED 200万以上あれば対象です。

Q
Q4. ドバイ不動産の利回りはどのくらいですか?
A

エリアにより異なりますが、Dubai Marinaで5〜6%、Business Bayで6〜7%、JVC(Jumeirah Village Circle)で7〜8%が目安です。固定資産税・所得税がゼロのため、表面利回りと実質利回りの差が小さいのが特徴です。

Q
Q5. 今からドバイ不動産に投資するならどのエリアがおすすめですか?
A

Dubai MarinaまたはBusiness Bayの完成済み中古物件がバランス良好です。JVCは利回りが最も高いですが値上がり幅は控えめ。オフプランは現時点では過熱気味なので、セカンダリー市場(中古)からの参入が堅実といえるでしょう。


※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
各国の法規制・税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。

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ドバイ UAE 市場動向 オフプラン ゴールデンビザ
田中 この記事の筆者

田中

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大手不動産会社で10年勤務後、海外不動産投資のコンサルタントとして独立。東南アジアを中心に50件以上の投資サポート実績。

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