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ドイツ不動産の税金ガイド|10年保有でCGT非課税【2025年版】
ヨーロッパ 法規制・税金

ドイツ不動産の税金ガイド|10年保有でCGT非課税【2025年版】

2025-12-30
2026-01-01 更新

ドイツ不動産の税金を2025年最新情報で解説。10年保有でCGT非課税、取得税3.5〜6.5%、経費控除・減価償却を紹介。

ドイツ不動産投資の最大のメリットは、10年以上保有すればキャピタルゲイン税が非課税になることです。

また、経費控除・減価償却も広範囲に認められます。長期保有を前提とした投資に最適な税制設計といえます。

税金の全体像

ドイツで不動産を所有すると、購入時・保有時・売却時にそれぞれ税金がかかります。

購入時:取得税(州別)

最大の変動要因は州別の取得税(Grunderwerbsteuer)です。

取得税 主要都市
バイエルン州 3.5% ミュンヘン
ザクセン州 3.5% ライプツィヒ
ハンブルク 5.5% ハンブルク
ヘッセン州 6.0% フランクフルト
ベルリン 6.0% ベルリン
ブランデンブルク州 6.5% ポツダム
ノルトライン=ヴェストファーレン州 6.5% デュッセルドルフ

€400,000の物件で計算すると、バイエルン州(3.5%)は€14,000、ベルリン(6.0%)は€24,000、ブランデンブルク州(6.5%)は€26,000。最大€12,000の差が出ます。投資先を選ぶ際は取得税も考慮すべきです。

保有時:固定資産税と賃貸所得税

**固定資産税(Grundsteuer)**は2025年から新制度が施行されています。年間€500〜2,000程度(物件による)が目安です。

賃貸所得税は累進課税で、14〜45%の税率が適用されます。

課税所得 税率
€10,908以下 0%(基礎控除)
€10,909〜62,809 14〜42%
€62,810〜277,825 42%
€277,826以上 45%

ただし、経費控除が広範囲に認められるので、実際の課税所得は大幅に圧縮できます。

減価償却と経費控除

ドイツの税制では経費控除が広範囲に認められます。これが税負担軽減の鍵です。

控除できる経費:

  • Hausgeld(管理費):全額控除
  • 維持費・修繕費:全額控除
  • 保険料:全額控除
  • ローン利息:全額控除
  • 減価償却:2〜3%/年
  • 旅費:物件訪問費用
  • 専門家費用:税理士、弁護士費用

減価償却の計算

減価償却(AfA)は建物部分にのみ適用されます。

建物の種類 減価償却率 期間
1925年以降の建物 2%/年 50年
1925年以前の建物 2.5%/年 40年
新築(2023年以降) 3%/年 特別措置

土地は対象外なので、取得価格から土地価格を差し引いて計算します。

税負担シミュレーション

€400,000の物件、年間賃料€18,000の場合:

  • 年間賃料:€18,000
  • Hausgeld:-€3,000
  • 維持費・保険:-€1,000
  • 減価償却(€300,000×2%):-€6,000
  • ローン利息(仮定):-€4,000
  • 課税所得:€4,000
  • 税率(累進・概算)20%で税額€800

減価償却により課税所得が大幅に圧縮されます。年間賃料€18,000に対して税額€800なら、実効税率は約4.4%です。

10年ルール:最大のメリット

個人が10年以上保有した不動産を売却した場合、キャピタルゲイン税(最大45%)が完全に非課税になります

これは「Spekulationsfrist」と呼ばれるルールで、ドイツ不動産投資の最大のメリットです。

10年未満で売却した場合

キャピタルゲインに累進課税(14〜45%)が適用されます。さらに連帯税(Solidaritätszuschlag)として税額の5.5%が加算されます。

例:€300,000で購入し、€400,000で5年後に売却

  • キャピタルゲイン:€100,000−取得コスト(10%)−売却コスト(3%)=€58,000
  • 税率30%でCGT€17,400

10年以上保有すれば、この税金がゼロになります。

  • 保有期間:購入日から売却日まで10年以上
  • 所有形態:個人名義
  • 取引業でないこと:5年間で3物件以上売買すると「不動産取引業」とみなされ適用外
  • 法人所有には適用されない
読者
読者

日本と二重に税金を取られることはありますか?

田中(海外不動産アドバイザー)
田中(海外不動産アドバイザー)

日本とドイツの間には租税条約があり、二重課税が調整されます。不動産所得とCGTはドイツで課税(源泉地主義)。ドイツで支払った税金は、日本の確定申告で「外国税額控除」として申告可能です。ただし控除額には上限があり、全額控除されるとは限りません。国際税務に詳しい税理士に相談してください。

法人所有 vs 個人所有

法人で所有する場合の税率は異なります。

  • 法人税(Körperschaftsteuer):15%
  • 連帯税:0.825%(法人税の5.5%)
  • 営業税(Gewerbesteuer):7〜17%(自治体による)
  • 実効税率:約30%
メリット
  • 10年ルールを回避して売却可能
  • 経費控除が広範囲
  • 相続対策になる
  • 損失の繰越が可能
デメリット
  • 10年非課税ルールが適用されない
  • 実効税率30%
  • 設立・維持コスト
  • 配当課税が別途発生

長期投資なら個人所有が有利です。10年保有でCGT非課税のメリットを活かせます。

節税のポイント

  1. 州の選択:取得税3.5%の州(バイエルン、ザクセン)を選ぶ
  2. 10年保有:CGT非課税のため長期保有を前提に
  3. 減価償却の活用:新築は3%/年(2023年以降)、建物部分を最大化
  4. 経費の計上:正確な経費記録、専門家費用も控除可能
  5. ローンの活用:利息は全額控除、レバレッジで税効率向上

まとめ

この記事のポイント
  • 取得税は州別3.5〜6.5%、バイエルン州が最安
  • 賃貸所得税は累進課税14〜45%、経費控除で圧縮可能
  • 減価償却2〜3%/年で課税所得を大幅軽減
  • 10年保有でCGT非課税が最大のメリット
  • 10年未満の売却は最大45%の累進課税
  • 長期投資なら個人所有が有利

ドイツの税金は10年ルールが最大のメリットです。長期保有を前提に、税理士と相談しながら計画しましょう。

よくある質問

Q
10年保有でCGT非課税になる条件は何ですか?
A

条件は4つあります。①保有期間が購入日から売却日まで10年以上。②所有形態が個人名義。③取引業とみなされないこと(5年間で3物件以上売買すると「不動産取引業」とみなされ適用外)。④法人所有には適用されません。この「Spekulationsfrist」ルールを活かすなら、長期保有前提の個人投資が最適です。

Q
取得税が最も安い州はどこですか?
A

バイエルン州とザクセン州が3.5%で最安です。ミュンヘン(バイエルン州)、ライプツィヒ(ザクセン州)が該当します。一方、ベルリンは6.0%、ブランデンブルク州やノルトライン=ヴェストファーレン州は6.5%。€400,000の物件で計算すると、3.5%と6.5%で€12,000の差が出ます。

Q
減価償却で課税所得をどのくらい圧縮できますか?
A

大幅に圧縮できます。例えば€400,000の物件、年間賃料€18,000の場合:減価償却(建物€300,000×2%)で€6,000、Hausgeld€3,000、維持費€1,000、ローン利息€4,000を差し引くと、課税所得は€4,000。年間賃料€18,000に対して税額€800なら、実効税率は約4.4%まで下がります。

Q
日本と二重課税になりますか?
A

日独租税条約により調整されます。不動産所得とCGTはドイツで課税(源泉地主義)。ドイツで支払った税金は、日本の確定申告で「外国税額控除」として申告可能です。ただし控除額には上限があり、全額控除されるとは限りません。国際税務に詳しい税理士への相談をおすすめします。


※本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
ドイツの税制は変更される可能性があります。投資前に必ず現地の税理士(Steuerberater)に相談してください。

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ドイツ 税金 CGT非課税 減価償却 取得税
田中 この記事の筆者

田中

WORLD PROPERTY

大手不動産会社で10年勤務後、海外不動産投資のコンサルタントとして独立。東南アジアを中心に50件以上の投資サポート実績。

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