フランス第2の都市リヨンは、2024年にフランス主要都市で最大の価格下落(-10.2%)を記録した。2022年のピークからは約14%の下落だ。
これは悪いニュースか、それともチャンスか。答えは「見方による」——この記事では、リヨン市場の実態と、今投資すべきかどうかの判断材料を提供する。
なぜリヨンはこれほど下がったのか
リヨンの価格下落は、金利上昇の影響がダイレクトに出た結果だ。
2021〜2022年、リヨンは低金利を背景に価格が急上昇した。しかし、2022年以降の金利上昇で購入希望者が激減。過熱した分だけ、調整も大きくなった。
現在の平均価格は€4,576/㎡(約74万円)。パリ(€9,530/㎡)の半額以下だ。
区別の価格下落率
| 区 | 価格(€/㎡) | 前年比 |
|---|---|---|
| 3区 | €4,500 | -9.7% |
| 7区 | €4,800 | -5.2% |
| 8区 | €4,300 | -4.8% |
| 9区 | €4,200 | -4.6% |
| 6区(最高級) | €5,886 | -2.3% |
興味深いのは、高級エリア(6区)の下落率が最も小さいこと。富裕層の需要は底堅く、調整が限定的だった。一方、2021〜2022年に過熱した3区は-9.7%と最大の下落を記録した。
リヨンの強み:17万人の学生
リヨンには17万人以上の学生が住む。パリに次ぐフランス第2の学生都市だ。
この学生需要が、リヨンの賃貸市場を下支えしている。学生向けスタジオ(15〜25㎡)の需要は常に高く、特にヴィルールバンヌ、7区、8区が人気エリアだ。
利回りは平均3〜4%だが、大学周辺なら5〜5.5%も狙える。
学生向け投資のデメリットはありますか?
あります。学生は9月〜翌6月の入居がメインで、夏は空室リスクがあります。また、入居者が毎年変わるため、原状回復費用と手間がかかります。それでも、安定した需要と高利回りは魅力です。
郊外の価格暴落
リヨン市内よりさらに大きく下がったのが郊外だ。
| エリア | 価格(€/㎡) | 下落率 |
|---|---|---|
| クラポンヌ | €4,176 | -18% |
| ヴェルネゾン | €3,857 | -18%以上 |
| サン・ジェニ・ラヴァル | €3,800 | -18%以上 |
郊外の一戸建ては金利上昇の影響を最も受けた。ファミリー層がローンを組めなくなり、需要が蒸発したためだ。逆に言えば、現金で購入できる投資家にとっては「セール」状態ともいえる。
今は買い時か?
結論から言えば、「底に近い」可能性は高いが、急激な反発は期待しにくい。
2025年に入り、金利は3.15%程度で安定。取引件数も回復傾向にある。ただし、2021〜2022年のような急上昇は当面ないだろう。
- 長期保有(10年以上)を前提とするなら、今は良いタイミング
- 短期転売を狙うなら、回復に時間がかかる可能性あり
- 学生向け物件は価格下落局面でも賃料は維持されている
- 焦らず、良い物件を見つけたら動く姿勢が重要
収益シミュレーション
ヴィルールバンヌの学生向けスタジオ(€120,000、20㎡)
- 年間賃料:€7,200(€600×12ヶ月)
- 諸経費:-€1,500
- 税引前純収益:€5,700
- 表面利回り:6.0%
- 税引後実質利回り:3.8%
6区の2BR(€350,000、60㎡)
- 年間賃料:€14,400(€1,200×12ヶ月)
- 諸経費:-€4,000
- 税引前純収益:€10,400
- 表面利回り:4.1%
- 税引後実質利回り:2.4%
学生向け物件の方が利回りは高いが、手間も多い。6区のような高級エリアは利回りは低いが、資産価値の安定性がある。
まとめ
- 平均€4,576/㎡、2022年比-14%の価格調整
- 3区は-9.7%と最大の下落、6区は-2.3%と限定的
- 郊外は-18%以上の「セール」状態
- 学生17万人、大学周辺は利回り5〜5.5%
- 金利安定で取引回復傾向、底に近い可能性
- 長期保有前提なら良いタイミング
リヨンは「今が底か」を見極めるのが難しい市場だ。ただ、パリの半額以下で、フランス第2の都市に投資できる機会は、そう多くはない。
よくある質問
「底に近い」可能性は高いですが、急激な反発は期待しにくいです。2022年のピークから-14%下落し、2025年に入り金利は3.15%程度で安定、取引件数も回復傾向。長期保有(10年以上)を前提とするなら良いタイミング。短期転売を狙うなら回復に時間がかかる可能性があります。
大学周辺なら利回り5〜5.5%が狙えます。特にヴィルールバンヌ、7区、8区が学生に人気。17万人以上の学生需要が賃貸市場を下支えしています。学生向けスタジオ(15〜25㎡)なら€100,000〜150,000で購入可能、表面利回り6%も期待できます。
3つあります。①学生は9月〜翌6月の入居がメインで、夏は空室リスク。②入居者が毎年変わるため、原状回復費用と手間がかかる。③物件の消耗が比較的早い。それでも、安定した需要と高利回りは魅力です。長期契約のテナントを求めるなら6区など高級エリアの方が適しています。
金利上昇の影響を最も受けたためです。郊外の一戸建てはファミリー層がローンで購入するケースが多く、金利上昇でローンを組めなくなり需要が蒸発。クラポンヌ、ヴェルネゾン、サン・ジェニ・ラヴァルは-18%以上の下落。逆に言えば、現金で購入できる投資家にとっては「セール」状態ともいえます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
リヨン不動産投資には税金・法規制があります。投資前に必ず現地のノテール・税理士に相談してください。