「マレーシアって税金高いの?外国人は不利って聞くけど…」
マレーシア不動産投資を検討する日本人から、よく聞かれる質問です。
答えはYes、外国人は高い税率が適用されます。印紙税は一律4%(2026年から8%予定)、賃貸所得税は非居住者で一律30%、RPGT(譲渡益税)は6年以上保有しても10%と、マレーシア人より不利な条件です。
とはいえ、固定資産税は日本より低く、経費控除も認められています。税金を理解した上で、実質リターンを計算することが重要です。この記事では、マレーシア不動産の税金を詳しく解説します。
| 税金 | 外国人の税率 | タイミング |
|---|---|---|
| 印紙税 | 4%(2026年〜8%予定) | 購入時 |
| 固定資産税 | 年間数千円〜数万円 | 保有時 |
| 賃貸所得税 | 30%(非居住者) | 賃貸収入時 |
| RPGT(6年以上) | 10% | 売却時 |
購入時の税金
マレーシアで不動産を購入する際、印紙税(Stamp Duty)が課されます。
マレーシア人・永住者の場合は累進課税(最初のRM10万は1%、RM10万〜50万は2%、RM50万〜100万は3%、RM100万超は4%)ですが、外国人は物件価格に関係なく一律4%です。
2026年1月1日からは、外国人の印紙税が一律8%に引き上げ予定です。RM100万の物件で計算すると、マレーシア人はRM24,000(累進課税)に対し、外国人は現在RM40,000(4%)、2026年以降はRM80,000(8%)になります。
一部の州では追加のレヴィもかかります。ペナン3%、マラッカ2%、ジョホール最大2%。ペナンでRM100万の物件を購入すると、印紙税4%+レヴィ3%=合計7%の税金がかかります。
2026年から印紙税が倍になるんですか?
2026年度予算案で提案されています。確定ではありませんが、外国人への課税強化の傾向は続いています。購入を検討しているなら、2025年中の購入が有利になる可能性があります。
2026年から印紙税が8%に上がる可能性があるため、購入を検討しているなら2025年中の決断が有利です。ただし、税制は変更される可能性もあるため、最新情報を確認してください。
保有時の税金
固定資産税
マレーシアでは2種類の固定資産税があります。Quit Rent(地租)は土地に対する税金で、州政府に年1回支払い。住宅用地でRM20〜100/年程度。Assessment Tax(評価税)は建物・インフラに対する税金で、地方自治体に年2回支払い。評価額×4〜10%程度です。
いずれも日本の固定資産税に比べると非常に低い水準です。
賃貸所得税
不動産を賃貸に出して収入を得た場合、マレーシアで所得税がかかります。
非居住者(外国人投資家)の場合、経費控除後の賃貸所得に対して一律30%が課税されます。例えば、年間賃料収入RM36,000、経費控除RM10,000の場合、課税所得RM26,000×30%=税額RM7,800です。
マレーシアに年間182日以上滞在すると「税務居住者」となり、累進課税(0〜28%)が適用されます。低所得なら30%より低い税率になるため、MM2Hビザで長期滞在する投資家は検討価値があります。
経費控除として認められるのは、管理費、固定資産税、修繕費、保険料、管理会社手数料、家具・家電の減価償却、住宅ローン利息などです。
年間182日以上マレーシアに滞在すれば税務居住者となり、賃貸所得税が累進課税に。所得によっては30%より大幅に低い税率になる可能性があります。MM2Hビザで長期滞在を検討している方は、税務メリットも考慮してください。
売却時の税金(RPGT)
RPGTとは
RPGT(Real Property Gains Tax)は、不動産売却時の譲渡益(キャピタルゲイン)に課税される税金です。
課税対象利益=売却価格−取得価格−認められる経費
RPGT=課税対象利益×税率
外国人の税率は、3年以内30%、4年目20%、5年目15%、6年目以降10%です。マレーシア人は6年目以降5%(居住用は0%)なので、外国人は依然として不利です。
減免措置として、譲渡益の10%またはRM10,000(いずれか高い方)が控除されます。また、家族間(夫婦、親子、祖父母と孫)の移転は免除です。
6年以上保有すれば外国人でも10%で済むんですか?
はい、6年以上保有すれば10%です。ただし、マレーシア人は6年以上で5%(居住用なら0%)なので、外国人は依然として不利です。短期売買は30%と高率なので、最低5〜6年の長期保有を前提にするのが賢明です。
RPGT計算例
2020年にRM100万で購入、2026年にRM130万で売却(所有期間6年)、認められる経費RM5万の場合:
譲渡益:RM130万−RM100万−RM5万=RM25万
控除(10%):RM2.5万
課税対象:RM22.5万
RPGT(10%):RM2.25万(約72万円)
日本での税金
日本の居住者がマレーシア不動産から所得を得た場合、日本でも確定申告が必要です。
賃貸所得については、マレーシアで支払った税金は「外国税額控除」で日本の税金から控除可能。売却益については、日本の譲渡所得税(短期39%、長期20%)の対象となり、マレーシアで支払ったRPGTは外国税額控除の対象です。
ただし、二重課税を完全に回避できるとは限りません。税理士に相談を推奨します。
マレーシアで支払った税金は日本の確定申告で外国税額控除として控除可能ですが、控除額には上限があります。また、申告漏れは追徴課税の対象となるため、海外不動産の税務に詳しい税理士への相談を推奨します。
税金シミュレーション
RM100万の物件を購入し、月額RM3,000で賃貸、6年後にRM130万で売却した場合の税金総額を試算します。
購入時は印紙税4%でRM40,000。保有時(6年間)は固定資産税がRM500×6年=RM3,000、賃貸所得税(30%)がRM10,800×6年=RM64,800。売却時はRPGT10%でRM22,500。合計税金はRM130,300(約420万円)となります。
6年間の税金総額は約420万円。賃料収入から税金を差し引いた実質リターンを計算することが重要です。
節税のポイント
長期保有でRPGT軽減が最も効果的です。最低6年以上保有すれば、RPGTは30%→10%に下がります。
経費を漏れなく計上することも重要。賃貸所得からは経費を控除できるので、領収書・契約書を保管しておきましょう。
居住者ステータスの検討も有効です。年間182日以上マレーシアに滞在すれば税務居住者となり、賃貸所得税が累進課税に。2025年中の購入検討も一案で、2026年から印紙税が8%に上がる可能性があるため、2025年中の購入が有利かもしれません。
まとめ
マレーシア不動産投資では、外国人は各段階でマレーシア人より高い税金が課されます。
- 印紙税:外国人は一律4%(2024年〜)、2026年から8%に上昇予定
- 州政府レヴィ:ペナン3%、マラッカ2%など
- 賃貸所得税:非居住者は一律30%
- RPGT:6年以上保有で10%(3年以内は30%)
- 固定資産税:日本より低い水準
- 日本での申告も必要(外国税額控除を活用)
税金を考慮した上で、実質リターンを計算して投資判断をしましょう。
よくある質問
2024年1月以降、外国人(非市民・外国企業、永住者除く)は物件価格に関係なく一律4%です。2026年1月からは8%に引き上げられる予定です。マレーシア人は累進課税(1〜4%)なので、外国人は不利になります。
最も効果的なのは長期保有です。6年以上保有すれば税率は10%(3年以内は30%)になります。また、譲渡益の10%またはRM10,000(いずれか高い方)は自動的に控除されます。
非居住の外国人投資家は、経費控除後の賃貸所得に対して一律30%が課税されます。年間182日以上マレーシアに滞在する「税務居住者」になれば、累進課税(0〜28%)が適用され、所得によっては税負担が軽減される可能性があります。
はい。日本居住者がマレーシア不動産から収入を得た場合、日本でも確定申告が必要です。賃貸所得は総合課税、売却益は譲渡所得税(短期39%、長期20%)の対象です。マレーシアで支払った税金は外国税額控除で一部控除できますが、完全に二重課税を回避できるとは限りません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の税務アドバイスを提供するものではありません。
税務に関する最終判断は、税理士等の専門家にご相談ください。
税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。