「エージェントの説明、専門用語が多くて何を言ってるか分からない…」
海外不動産投資の相談で、こんな声をよく聞きます。ROI、NOI、Cap Rate、レバレッジ…。確かに専門用語が多くて、最初は戸惑いますよね。
この記事では、海外不動産投資で使われる100の専門用語をまとめました。カテゴリ別に整理しているので、必要な用語をすぐに見つけられます。
基本用語(A〜Z)
A
ABSD(Additional Buyer's Stamp Duty)
シンガポールの追加印紙税。外国人が不動産を購入する際に課される税金で、2024年現在60%という高率。
Agent(エージェント)
不動産の売買・賃貸を仲介する業者。海外投資では日系エージェントを利用すると日本語で対応可能。
Annual Rental Yield(年間賃貸利回り)
年間家賃収入÷物件価格×100。表面利回りと同義。
B
BTS
バンコクの高架鉄
(スカイトレイン)。BTS沿線の物件は賃貸需要が高い。
Buy-to-Let
賃貸目的で不動産を購入すること。イギリスでよく使われる用語。
C
Cap Rate(キャップレート)
還元利回り。NOI÷物件価格×100。物件の収益力を比較する指標。
Capital Gain(キャピタルゲイン)
売却益。物件を購入価格より高く売却した際の利益。
Condominium(コンドミニアム)
分譲マンション。東南アジアで外国人が購入できる主な物件タイプ。
コンドミニアムとアパートメントの違いは何ですか?
コンドミニアムは区分所有(各戸の所有権が独立)、アパートメントは一棟所有または賃貸専用の物件を指すことが多いです。タイなど一部の国では、登記されたコンドミニアムのみ外国人が所有可能です。
Completion(コンプリーション)
物件の完成・引渡し。プレビルド物件の場合、建設完了時を指す。
D
Deposit(デポジット)
頭金・手付金。購入時に支払う初期費用。通常、物件価格の10〜30%。
Developer(デベロッパー)
不動産開発会社。物件を建設・販売する企業。
Due Diligence(デューデリジェンス)
物件や売主の調査・精査。購入前に行う重要なプロセス。
E
Equity(エクイティ)
自己資本。物件価格からローン残高を引いた額。
Escrow(エスクロー)
第三者預託。売買代金を第三者(弁護士など)が一時預かりし、取引完了時に売主へ支払う仕組み。
F
FET(Foreign Exchange Transaction Form)
タイの外国為替取引証明書。外国人がコンドミニアムを購入する際に必要。
Freehold(フリーホールド)
永久所有権。土地・建物を永久に所有できる権利形態。⇔レースホールド
Foreign Quota(外国人枠)
コンドミニアムで外国人が購入できる割合の上限。タイ49%、フィリピン40%など。
G
Golden Visa(ゴールデンビザ)
投資による居住権取得制度。ポルトガル、スペイン、ギリシャなどで実施。
Gross Yield(グロス利回り)
表面利回り。年間家賃収入÷物件価格×100。経費を考慮しない数値。
H
HDB
シンガポールの公団住宅(Housing Development Board)。外国人は購入不可。
HOA(Home Owners Association)
管理組合。アメリカのコンドミニアムなどで、共用部の管理を行う組織。
I
Income Gain(インカムゲイン)
運用益。賃料収入など、保有中に得られる利益。⇔キャピタルゲイン
L
Leasehold(リースホールド)
借地権。一定期間(30年、50年、99年など)土地を借りる権利。⇔フリーホールド
Letter of Intent(LOI)
購入意向書。物件購入の意思を示す書面。予約申込みに相当。
Leverage(レバレッジ)
てこの原理。ローンを使って自己資金以上の投資を行うこと。
LTV(Loan to Value)
担保掛目。物件価格に対するローン比率。LTV70%なら、物件価格の70%を借入可能。
海外不動産は現地でのローン条件が厳しく、LTV50〜70%が一般的。日本の不動産(LTV80〜100%)と比べてレバレッジが効きにくいです。
M
MM2H(Malaysia My Second Home)
マレーシアの長期滞在ビザプログラム。不動産購入と組み合わせる投資家も多い。
MRT
地下鉄(Mass Rapid Transit)。バンコク、シンガポール、クアラルンプールなどで運行。
N
Net Yield(ネット利回り)
実質利回り。(年間家賃収入−経費)÷(物件価格+諸費用)×100。
NOI(Net Operating Income)
純営業収益。家賃収入から運営費用(管理費、修繕費、税金など)を引いた額。
Nominee(ノミニー)
名義人。タイなどで違法に使われる「名義貸し」のこと。外国人が土地を所有するためにタイ人名義で会社を設立する手法は違法。
O
Off-Plan
プレビルド。建設前または建設中の物件を購入すること。
Occupancy Rate(稼働率)
入居率。年間を通じて物件が賃貸されている期間の割合。
P
Pre-Build(プレビルド)
建設前または建設中の物件。完成物件より安く購入できるが、リスクも高い。
Property Management(プロパティマネジメント)
物件管理。入居者募集、家賃回収、メンテナンスなどを行う業務。
R
ROI(Return on Investment)
投資収益率。投資に対するリターンの割合。(利益÷投資額)×100。
Rental Guarantee(レンタルギャランティ)
家賃保証。デベロッパーが一定期間の家賃を保証する制度。要注意案件も多い。
家賃保証って安心ですよね?
一見安心ですが、注意が必要です。①保証期間終了後の家賃下落リスク、②保証家賃が物件価格に上乗せされている可能性、③デベロッパーの資金繰り悪化による保証不履行リスク。「保証があるから安心」と思考停止せず、市場相場と比較してください。
S
Settlement(セトルメント)
決済・引渡し。売買代金の支払いと物件の引渡しを行う手続き。
Stamp Duty(印紙税)
不動産取引に課される税金。国・地域によって税率が異なる。
Strata Title(ストラタタイトル)
区分所有権。コンドミニアムの各戸に設定される所有権。
T
Tenancy Agreement(賃貸契約)
賃貸借契約書。オーナーとテナント間で締結する契約。
Title Deed(権利証書)
不動産の所有権を証明する書類。登記完了後に発行される。
V
Vacancy Rate(空室率)
空室の割合。稼働率の逆(空室率=100%−稼働率)。
W
Withholding Tax(源泉徴収税)
家賃収入などから源泉徴収される税金。国によって税率が異なる。
カテゴリ別用語
物件タイプ
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| コンドミニアム | 分譲マンション。東南アジアで外国人が購入可能 |
| タウンハウス | 連棟式住宅。複数戸が壁を共有 |
| ヴィラ | 一戸建て。プール付きの高級物件も |
| スタジオ | ワンルーム。キッチン・寝室が一体 |
| 1BR | 1ベッドルーム。寝室が1つの間取り |
| ペントハウス | 最上階の高級住戸 |
投資指標
表面利回り(Gross Yield):年間家賃÷物件価格×100。経費を考慮しない。
実質利回り(Net Yield):(年間家賃−経費)÷(物件価格+諸費用)×100。
Cap Rate:NOI÷物件価格×100。物件の収益力を比較する指標。
ROI:(利益÷投資額)×100。投資全体のリターンを測る。
Cash on Cash Return:年間キャッシュフロー÷自己資金×100。現金投資に対するリターン。
- 東南アジア:表面5〜8%、実質4〜6%
- 欧米先進国:表面3〜5%、実質2〜4%
- 高利回りにはリスクが伴うことを忘れずに
税金関連
取得税(Acquisition Tax):物件購入時に課される税金。
印紙税(Stamp Duty):契約書に課される税金。
固定資産税(Property Tax):毎年の保有に対して課される税金。
キャピタルゲイン税(Capital Gains Tax):売却益に対して課される税金。
源泉徴収税(Withholding Tax):家賃収入から源泉徴収される税金。
外国税額控除:海外で支払った税金を日本の税金から控除する制度。
契約・手続き
LOI(Letter of Intent):購入意向書。物件を予約する書面。
SPA(Sale and Purchase Agreement):売買契約書。
エスクロー:第三者預託。代金を弁護士などが一時預かり。
デューデリジェンス:物件・売主の調査。購入前の精査。
コンプリーション:決済・引渡し。
登記:所有権を公的に記録する手続き。
エリア・立地
CBD(Central Business District):中心業務地区。オフィス街。
プライムエリア:一等地。最も需要が高いエリア。
フリンジ:中心部の周辺エリア。プライムより安価。
郊外:中心部から離れたエリア。価格は安いが賃貸需要も低い傾向。
リスク関連
為替リスク:通貨の変動により、円換算での価値が変わるリスク。
空室リスク:テナントが見つからず、家賃収入が得られないリスク。
流動性リスク:売りたい時に売れない、または安値でしか売れないリスク。
カントリーリスク:投資先国の政治・経済状況によるリスク。
デベロッパーリスク:開発会社の倒産・工事遅延などのリスク。
国別の重要用語
タイ
- FET:外国為替取引証明書(外国人購入に必須)
- 49%ルール:外国人枠の上限
- Chanote:土地の権利証書(最も確実な所有権)
- BTS/MRT:高架鉄道/地下鉄
マレーシア
- MM2H:長期滞在ビザプログラム
- Bumiputera Quota:マレー系優遇枠
- 最低購入価格:外国人は100万リンギット(約3,300万円)以上のみ
フィリピン
- 40%ルール:外国人枠の上限
- SRRV:退職者ビザ
- Pag-IBIG:住宅ローン基金
シンガポール
- ABSD:追加印紙税(外国人60%)
- HDB:公団住宅(外国人購入不可)
- 99-year Leasehold:99年借地権
アメリカ
- FIRPTA:外国人不動産投資税法
- 1031 Exchange:売却益の課税繰延制度
- HOA:管理組合
まとめ
海外不動産投資で使われる主要な用語をまとめました。
- 基本用語:利回り、キャピタルゲイン、インカムゲイン
- 物件タイプ:コンドミニアム、タウンハウス、ヴィラ
- 投資指標:表面利回り、実質利回り、Cap Rate、ROI
- 税金:取得税、固定資産税、キャピタルゲイン税
- 手続き:LOI、SPA、エスクロー、デューデリジェンス
- リスク:為替リスク、空室リスク、流動性リスク
分からない用語が出てきたら、このページに戻って確認してください。
よくある質問
「実質利回り(Net Yield)」と「外国人枠(Foreign Quota)」です。表面利回りだけでなく実質利回りで判断すること、外国人が購入可能な枠に空きがあるか確認することが重要です。
長期保有ならフリーホールド(永久所有)が有利です。リースホールドは残存期間が減ると価値が下がります。ただし、シンガポールの99年リースなど、実質的に問題ないケースもあります。国・物件ごとに判断してください。
初心者には避けることをおすすめします。完成遅延、品質問題、デベロッパー倒産などのリスクがあるためです。2軒目以降、信頼できるデベロッパーの物件ならチャレンジしても良いでしょう。
鵜呑みにしないでください。保証家賃が市場相場より高い場合、その分が物件価格に上乗せされている可能性があります。また、デベロッパーの資金繰り悪化で保証が履行されないリスクもあります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
各国の法規制・税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。