「2026年、海外不動産はどうなりますか?」
年始のタイミングで最もよく聞かれる質問です。
結論を先に言えば、2026年は「選別の年」になると予測しています。金利高止まり、供給過剰の調整、地政学リスクが続く中で、「どの国・エリアを選ぶか」がこれまで以上に重要になります。
2025年の振り返り
まず2025年の動きを振り返ります。
主要イベント
- 金利:米FRBが利下げ開始、アジア各国も追随
- 為替:円は対ドルで150円台を維持
- 東南アジア:供給過剰の調整続く
- 欧米:住宅価格は横ばい〜微増
国別パフォーマンス
| 国 | 価格変動 | 利回り | トレンド |
|---|---|---|---|
| タイ | +2〜5% | 5〜7% | 回復傾向 |
| フィリピン | +5〜8% | 6〜8% | 好調 |
| ベトナム | −2〜+3% | 4〜6% | 横ばい |
| アメリカ | +3〜5% | 4〜6% | 安定 |
| オーストラリア | +5〜8% | 3〜5% | 回復 |
東南アジアの供給過剰はまだ続いていますか?
バンコク、マニラでは徐々に解消に向かっています。2020年代前半に大量供給された物件が市場に吸収され、新規着工も減少。2026年以降は需給バランスが改善すると予測されています。ただし、プノンペンなど一部市場ではまだ過剰感があります。
2026年の注目市場
1. フィリピン・マニラ
最も注目の市場です。
- 経済成長:GDP成長率6%以上を維持
- 人口動態:平均年齢25歳、人口増加中
- BPO産業:オフィス・住宅需要を牽引
- インフラ:地下鉄開業、空港拡張
特にBGC(ボニファシオ・グローバルシティ)とマカティは、富裕層・駐在員需要が安定。利回り6〜8%と高水準を維持しています。
2. タイ・バンコク
供給過剰から回復傾向。
- 価格:底打ちから上昇に転じる見通し
- 観光:コロナ前水準に完全回復
- EEC:東部経済回廊への投資継続
- 注目エリア:スクンビット、オンヌット
完成済み物件を適正価格で購入できるチャンス。プレビルドではなく、実績ある物件を選びましょう。
3. ベトナム・ホーチミン
中長期で有望だが、短期は慎重に。
- 経済成長:製造業・IT産業が牽引
- 規制:外国人は50年リースホールドのみ
- 課題:不動産市場の透明性に課題
- 注目:新空港周辺の開発
ベトナムは「50年リースホールド」という特殊な制度。所有権ではなく使用権です。また、2023〜2024年の不動産市場混乱(社債問題)の影響が残っており、デベロッパー選びには慎重に。
4. アメリカ・テキサス
安定性と成長性のバランス。
- 人口流入:カリフォルニアからの移住続く
- 企業移転:テスラ、オラクルなど大企業の本社移転
- 税制:州所得税なし
- 注目都市:ダラス、オースティン、ヒューストン
利回り5〜7%と安定。法規制が明確で、外国人でも購入しやすい市場です。
2026年に避けるべき市場はありますか?
シンガポールとオーストラリア(外国人向け)は避けた方が良いでしょう。シンガポールは外国人へのABSD(追加印紙税)が60%と高額。オーストラリアは外国人向け規制が厳しく、新築しか購入できません。どちらも資産保全目的の超富裕層向けです。
2026年のリスク要因
投資判断には、リスク要因も理解しておく必要があります。
1. 金利リスク
米FRBの利下げが続くか不透明。金利が高止まりすると、不動産価格の上昇余地は限定的に。
2. 地政学リスク
中国・台湾情勢、ウクライナ情勢など、地政学リスクが投資心理に影響。東南アジアでも南シナ海問題が不安要素。
3. 為替リスク
円の動向は予測困難。円安が続けば海外資産にプラス、円高に転じればマイナス。
4. 規制リスク
各国で外国人規制が強化される可能性。シンガポールのABSD引き上げ(2023年)は記憶に新しい。
投資先を選ぶ際は、政治・経済の安定性も重視してください。
- 低リスク:シンガポール、オーストラリア、アメリカ
- 中リスク:タイ、マレーシア、フィリピン
- 高リスク:ベトナム、カンボジア、ミャンマー
2026年の投資戦略
2026年にどう動くべきか、戦略を提案します。
戦略1:完成済み物件を狙う
プレビルドより完成済み物件を優先。供給過剰の市場では、プレビルドは完成時に値下がりするリスクがあります。
戦略2:エリアを厳選する
「タイに投資」ではなく「バンコク・スクンビットに投資」というレベルで絞り込む。駅近、外国人需要が安定したエリアを選びましょう。
戦略3:利回り重視なら東南アジア
高利回り(6〜8%)を狙うなら、フィリピン、タイ、カンボジアが候補。ただし、リスクも高いので分散を。
戦略4:安定重視ならアメリカ
リスクを抑えたいなら、アメリカ(テキサス、フロリダ)。利回りは4〜6%と控えめですが、法制度が安定し、流動性も高い。
戦略5:為替に一喜一憂しない
為替予測に基づいた投資判断は避ける。長期保有を前提に、物件自体の価値で判断しましょう。
2026年は買い時ですか?待った方がいいですか?
「買い時」を待っていると永遠に買えません。2026年が特別な買い時とは言えませんが、物件価値があり、利回りが見込める物件が見つかったら、タイミングを逃さず動くことをおすすめします。ただし、焦って買う必要はありません。
まとめ
2026年の海外不動産市場予測をまとめました。
- テーマ:「選別の年」—エリア選定がより重要に
- 注目市場:フィリピン、タイ、アメリカ(テキサス)
- 慎重市場:シンガポール(ABSD60%)、オーストラリア
- リスク:金利、地政学、為替、規制
- 戦略:完成済み物件、エリア厳選、長期保有
正確な予測は誰にもできませんが、準備して機会を待つ姿勢が大切です。
よくある質問
ベトナム、カンボジアの一部エリアでは、供給過剰の調整で価格が横ばいまたは微減の可能性があります。ただし、好立地・高品質物件は維持される傾向。エリアと物件を選べば影響は限定的です。
タイをおすすめします。日系エージェントが多く、情報が豊富。供給過剰から回復傾向で、適正価格で購入できるチャンス。500万円〜から始められるのも魅力です。
予測は困難ですが、日米金利差が縮小すれば円高方向に戻る可能性も。ただし、為替予測に基づいた投資判断はリスクが高いです。長期保有を前提に、為替は「結果として受け入れる」スタンスをおすすめします。
はい、資産全体での分散をおすすめします。海外不動産は資産の一部として位置づけ、国内不動産、株式、債券、現金などと組み合わせましょう。海外不動産だけに集中投資するのはリスクが高いです。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
市場予測は執筆時点の情報に基づくものであり、実際の市場動向とは異なる場合があります。