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フィリピン不動産の税金ガイド|キャピタルゲイン税・印紙税・固定資産税を完全解説
東南アジア 投資戦略

フィリピン不動産の税金ガイド|キャピタルゲイン税・印紙税・固定資産税を完全解説

2025-12-14
2026-01-01 更新

フィリピン不動産投資の税金を完全解説。キャピタルゲイン税、印紙税、VAT、固定資産税、賃貸所得税の税率と計算方法を2025年最新情報で紹介。

「損失が出ても6%課税されるって本当?」

フィリピン不動産投資を検討する日本人から、よく聞かれる質問です。

答えはYes、損失が出ても6%課税されます。フィリピンのキャピタルゲイン税は「利益」ではなく「売却価格」に対して一律6%。購入価格より安く売却しても、同じ6%がかかります。さらに購入時は約5〜8%、売却時は合計10〜13%のコスト。この税負担を理解せずに投資すると、想定外の損失に陥ります。

この記事では、フィリピン不動産投資の税金を完全解説します。

税金の全体像

フィリピンで不動産投資をすると、購入・保有・売却の各段階で税金がかかります。

段階 税金・費用 税率
購入時 印紙税+VAT+移転税等 約5〜8%
保有時 固定資産税 1〜2%(評価額)
保有時 賃貸所得税(非居住者) 25%
売却時 キャピタルゲイン税 6%

購入時は印紙税1.5%、VAT12%(該当する場合)、移転税0.5〜0.75%、登録費用・公証人費用など、合計約5〜8%。保有時は固定資産税1〜2%(評価額に対して)、賃貸所得税25%(非居住者)。売却時はキャピタルゲイン税6%、印紙税1.5%、仲介手数料3〜5%で、合計約10〜13%。

5年間の総コストは賃料収入の相当部分を占めるため、税引後リターンを必ず計算してください。

購入時の税金

購入時にかかる主な税金は4種類です。

印紙税(Documentary Stamp Tax)は売買価格または市場価格の高い方の1.5%。例えば物件価格₱1,000万なら₱15万(約40万円)です。

VAT(付加価値税)は売買価格が₱360万以上の物件で12%。ただし、物件価格に含まれている場合が多いので、契約前に確認してください。「VAT込み」か「VAT別途」かで総コストが大きく変わります。

移転税(Transfer Tax)は地方自治体に支払う税金で、メトロマニラは0.75%、その他の都市は0.5%、地方は0.25〜0.5%。登録費用は約0.25%です。

合計すると、VAT込みの場合で約5〜8%が購入時コストになります。

VATは価格に含まれているか確認

デベロッパーからの新築購入では、VATが価格に含まれている場合と別途の場合があります。「₱1,000万(VAT別)」と言われたら、実際は₱1,120万かかります。契約前に必ず確認してください。

保有時の税金

保有時にかかる税金は固定資産税と賃貸所得税です。

固定資産税(Real Property Tax)は評価額に対して課税されます。メトロマニラは評価額の2%以下、その他の地域は1%以下。評価額は市場価格より大幅に低く(通常20〜50%)、実際の負担は物件価格の0.4〜1%程度です。

例えば、市場価格₱1,000万、評価額₱300万(30%)の物件なら、固定資産税は₱300万 × 2% = ₱6万/年(約16万円)となります。

賃貸所得税は居住ステータスによって異なります。非居住者(滞在180日未満)は賃貸所得に対して一律25%が課税されます。年間賃料収入₱36万なら、税額は₱9万(約24万円)です。

読者
読者

非居住者は25%で、居住者は最大35%なんですか?

鈴木(税務・法務スペシャリスト)
鈴木(税務・法務スペシャリスト)

居住者は累進課税(0〜35%)なので、低所得なら25%より低くなります。例えば年間賃料₱36万の場合、居住者なら約₱1.65万(25万円超過分の15%)、非居住者は₱9万。ただし、居住者になるにはフィリピンに180日以上滞在する必要があるため、投資目的の日本人には現実的ではありません。

売却時の税金

フィリピンの売却時コストは約10〜13%と高額です。

キャピタルゲイン税は売却価格または市場価格の高い方の6%。「利益」ではなく「売却価格」に対して課税されるため、損失が出ても6%がかかります。例えば、₱1,500万で売却した場合、₱1,500万 × 6% = ₱90万(約243万円)。購入価格が₱1,800万で損失が出ていても、同じ₱90万が課税されます。

売却時にも印紙税1.5%がかかり、仲介手数料は3〜5%が相場。合計で売却価格の10〜13%がコストになります。

保有期間による軽減はない

フィリピンのキャピタルゲイン税は、タイやマレーシアと異なり、保有期間による軽減がありません。1年保有でも10年保有でも税率は同じ6%。「長期保有で税金が安くなる」と思い込んでいると、出口で痛い目に遭います。

日本での税金

日本居住者がフィリピン不動産から所得を得た場合、日本でも確定申告が必要です。

賃貸所得は日本の所得税(累進課税5〜45%)の対象。売却益は日本の譲渡所得税(短期39%、長期20%)の対象となります。

日比租税条約に基づく外国税額控除が利用可能。フィリピンで支払った税金は日本の確定申告で控除できますが、先にフィリピンで納税し、確定申告後に還付される流れになります。資金繰りに注意が必要です。

日本の譲渡所得税は5年超の長期保有で税率が下がります(39%→20%)。フィリピンでは保有期間で税率は変わりませんが、日本側の税率を考えると、長期保有にメリットがあります。

税金シミュレーション

5年間の投資シミュレーションを見てみましょう。

条件は、購入価格₱1,000万、月額賃料₱3万、5年後に₱1,200万で売却、非居住者の場合。

購入時は印紙税₱15万、移転税₱7.5万、登録費用₱2.5万、合計₱25万。保有時は固定資産税が年間₱6万×5年=₱30万、賃貸所得税(25%)が年間₱9万×5年=₱45万。売却時はキャピタルゲイン税₱72万、印紙税₱18万、合計₱90万。

総税金額は₱190万(約513万円)。5年間の賃料収入₱180万とキャピタルゲイン₱200万、合計₱380万に対して約50%が税金です。税引後リターンをしっかり計算してから投資判断をしてください。

まとめ

フィリピン不動産投資では、購入・保有・売却の各段階で税金がかかります。

  • 購入時:印紙税1.5%、移転税0.5〜0.75%、VAT 12%(₱360万以上)
  • 保有時:固定資産税1〜2%(評価額)、賃貸所得税25%(非居住者)
  • 売却時:キャピタルゲイン税6%(利益の有無に関係なく)、印紙税1.5%
  • 日比租税条約で二重課税は軽減
  • 保有期間による軽減はない
  • 日本での確定申告も必要

税金を考慮した上で、実質リターンを計算して投資判断をしましょう。

よくある質問

Q
フィリピンのキャピタルゲイン税はいくらですか?
A

売却価格または市場価格の高い方の6%です。注意点として、利益が出たかどうかに関係なく6%が課税されます。損失が出ても6%がかかるため、購入時の価格設定が非常に重要です。

Q
非居住外国人の賃貸所得税はいくらですか?
A

非居住外国人(フィリピン滞在180日未満)の場合、賃貸所得に対して一律25%が課税されます。フィリピンに180日以上滞在する「税務居住者」になれば、累進課税(0〜35%)が適用され、低所得なら税負担が軽減される可能性があります。

Q
長期保有すると税金は安くなりますか?
A

フィリピンでは保有期間による税率軽減がありません。1年保有でも10年保有でもキャピタルゲイン税は6%で変わりません。ただし、日本の譲渡所得税は5年超の長期保有で税率が下がるため(39%→20%)、トータルでは長期保有にメリットがあります。

Q
フィリピンと日本で二重課税になりますか?
A

日本とフィリピンは租税条約を締結しているため、フィリピンで支払った税金は日本の確定申告で「外国税額控除」として控除できます。ただし、先にフィリピンで納税し、確定申告後に還付される流れになるため、資金繰りに注意が必要です。詳細は税理士に相談してください。


※本記事は情報提供を目的としており、特定の税務アドバイスを提供するものではありません。
税務に関する最終判断は、税理士等の専門家にご相談ください。
税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。