ポルトガル不動産投資では、購入時・保有時・売却時にそれぞれ異なる税金がかかります。
特に非居住者は賃貸所得税28%、CGT28%と高い税負担があります。
税金の全体像
| 時点 | 税金 | 税率 |
|---|---|---|
| 購入時 | IMT(取得税) | 1〜8%(累進) |
| 購入時 | 印紙税 | 0.8% |
| 保有時 | IMI(固定資産税) | 0.3〜0.45% |
| 保有時 | 賃貸所得税 | 28%(非居住者) |
| 売却時 | CGT | 28%(非居住者) |
購入時:IMT(不動産取得税)
IMTは購入価格に応じた累進税率が適用されます。
居住用物件(本人居住)の場合:€97,064までは0%、€97,065〜132,774は2%、€132,775〜181,034は5%、€181,035〜301,688は7%、€301,689〜578,598は8%。€578,599以上は単一税率で6〜7.5%。
セカンドハウス・投資用物件は税率が少し高くなります。€97,064までが1%(居住用は0%)、それ以降は同様の累進税率。ただし控除額が少ないため、結果的に税額は高くなります。例えば€300,000の投資用物件の場合、IMTは約**€12,425**です。
印紙税は**0.8%**で、物件価格に対してかかります。モーゲージを組む場合は追加で0.6%。€300,000の物件なら印紙税は€2,400です。
購入コストの合計は**約6〜12%**です。内訳としてIMT1〜8%、印紙税0.8%、弁護士費用1〜2%、公証人・登記€500〜1,500。例えば€300,000の投資用物件なら、IMT約€12,400、印紙税€2,400、ノタリオ€300、登記€300、弁護士€4,500で、**合計約€19,900(約6.6%)**になります。
保有時:IMI(固定資産税)
IMIは毎年支払う固定資産税です。都市部の物件は0.3〜0.45%、農村部は0.8%。税率は自治体によって異なります。€300,000の物件(リスボン、税率0.36%)なら、年間IMIは約**€1,000〜1,500**程度です。課税標準はVPT(税務評価額)で、市場価格より低いことが多いです。
高額物件には**AIMI(追加IMI)**があります。個人の場合、€600,000を超える部分に0.7%、€1,000,000を超える部分に1.0%。夫婦共同所有なら免税枠は€1,200,000です。
保有時:賃貸所得税
非居住者の賃貸所得税は28%(フラット)です。これが問題なのは、経費控除がほぼ認められないこと。グロス収入(総額)に28%が課税されるため、税負担が重くなります。例えば年間賃料€14,400なら、税額は€4,032です。
ポルトガル居住者になれば累進課税が適用され、経費控除も可能です。税率は所得に応じて13.25%〜48%。低所得なら28%より低くなる可能性があります。同じ€14,400の賃料でも、経費控除€3,000後の課税所得€11,400に約23%で、税額は約**€2,622**です。手取りが€1,400以上増えます。
売却時:キャピタルゲイン税
非居住者のCGTは28%です。課税対象はキャピタルゲインの100%(インフレ調整後)。例えば€300,000で購入し€400,000で売却、インフレ調整後の取得価格が€320,000の場合、キャピタルゲインは€80,000。CGTは€22,400です。
居住者はゲインの50%のみ課税され、累進税率(最大48%)が適用されます。さらに、居住用物件の売却益を新居に再投資すれば免税可能です。非居住者にはこれらの優遇がありません。
法人所有の税金
法人税(IRC)は21%、地方税上乗せで実効税率は約**22.5%**です。個人の賃貸所得税28%より低いです。
| 項目 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 賃貸所得税 | 28% | 22.5% |
| 経費控除 | ほぼ不可 | 広範囲 |
| 相続対策 | なし | あり |
| 維持コスト | 低い | 年間€1,000〜3,000 |
複数物件を所有する場合は法人化を検討する価値があります。
NHR税制の廃止
NHR(非常習居住者制度)は外国人居住者向けの10年間の税優遇制度でしたが、2024年に新規申請が終了しました。既存の適用者は10年間継続しますが、新規取得はできません。代替として「IFICI」制度が導入予定ですが、対象者は限定的です。
二重課税防止
日本とポルトガルの間には租税条約があり、二重課税は調整されます。ポルトガルで支払った税金は、日本の確定申告で外国税額控除として申告可能です。ただし控除額には上限があり、全額が控除されるとは限りません。具体的な計算は国際税務に詳しい税理士に相談すべきです。
賃貸所得税28%は高すぎませんか?
確かに28%は高めです。表面利回り5%の物件でも、税引き後は約3.6%に下がります。対策は3つあります。1) ポルトガル居住者になる(経費控除可能)、2) 法人で所有する(実効税率22.5%、経費控除可能)、3) キャピタルゲイン重視の投資に切り替える(賃貸せず長期保有)。純粋なインカム重視なら、税金面でより有利な他国も検討してください。
実務的な注意点
NIF(納税者番号)はポルトガルで不動産を購入するのに必須です。取得場所は税務署(Finanças)、必要書類はパスポートと住所証明。非居住者はポルトガル居住の代理人が必要です。費用は無料ですが、弁護士に依頼すると€100〜300/年かかります。
確定申告は翌年4〜6月、方法はオンライン(Portal das Finanças)です。言語はポルトガル語のため、現地税理士に依頼することを推奨します。日本での確定申告も必要で、ポルトガルで支払った税金を外国税額控除として申告します。
まとめ
- IMT(取得税)1〜8%
- 印紙税0.8%
- IMI(固定資産税)0.3〜0.45%
- 賃貸所得税28%(非居住者)
- CGT28%(非居住者)
- 法人所有で実効税率22.5%
- NHR税制は2024年新規申請終了
ポルトガルの税金は非居住者にとって負担が大きいです。税務処理は複雑なため、必ず専門家に相談しましょう。
よくある質問
約6〜12%です。内訳はIMT(取得税)1〜8%、印紙税0.8%、弁護士費用1〜2%、公証人・登記€500〜1,500。例えば€300,000の投資用物件なら、IMT約€12,400、印紙税€2,400、ノタリオ€300、登記€300、弁護士€4,500で、合計約€19,900(約6.6%)になります。
3つの方法があります。①ポルトガル居住者になる(経費控除可能、累進税率で低所得なら28%より低い)。②法人で所有する(実効税率22.5%、経費控除可能)。③キャピタルゲイン重視の投資に切り替える(賃貸せず長期保有)。複数物件を所有する場合は法人化を検討する価値があります。
いいえ、NHR(非常習居住者制度)は2024年に新規申請が終了しました。既存の適用者は10年間継続しますが、新規取得はできません。代替として「IFICI」制度が導入予定ですが、対象者は限定的(科学者、起業家など)で、一般的な不動産投資家には適用されにくいです。
日本とポルトガルの間には租税条約があり、二重課税は調整されます。ポルトガルで支払った税金は、日本の確定申告で外国税額控除として申告可能。ただし控除額には上限があり、全額が控除されるとは限りません。具体的な計算は国際税務に詳しい税理士に相談してください。
※本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
ポルトガルの税制は頻繁に変更されます。投資前に必ず現地の税理士・弁護士に相談してください。