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ポルトガル不動産の税金ガイド|IMT・IMI・賃貸所得税【2025年版】
ヨーロッパ 法規制・税金

ポルトガル不動産の税金ガイド|IMT・IMI・賃貸所得税【2025年版】

2025-12-30
2026-01-01 更新

ポルトガル不動産の税金を2025年最新情報で解説。IMT(取得税)1〜8%、IMI(固定資産税)0.3〜0.45%、賃貸所得税28%を紹介。

ポルトガル不動産投資では、購入時・保有時・売却時にそれぞれ異なる税金がかかります。

特に非居住者は賃貸所得税28%、CGT28%と高い税負担があります。

税金の全体像

時点 税金 税率
購入時 IMT(取得税) 1〜8%(累進)
購入時 印紙税 0.8%
保有時 IMI(固定資産税) 0.3〜0.45%
保有時 賃貸所得税 28%(非居住者)
売却時 CGT 28%(非居住者)

購入時:IMT(不動産取得税)

IMTは購入価格に応じた累進税率が適用されます。

居住用物件(本人居住)の場合:€97,064までは0%、€97,065〜132,774は2%、€132,775〜181,034は5%、€181,035〜301,688は7%、€301,689〜578,598は8%。€578,599以上は単一税率で6〜7.5%。

セカンドハウス・投資用物件は税率が少し高くなります。€97,064までが1%(居住用は0%)、それ以降は同様の累進税率。ただし控除額が少ないため、結果的に税額は高くなります。例えば€300,000の投資用物件の場合、IMTは約**€12,425**です。

印紙税は**0.8%**で、物件価格に対してかかります。モーゲージを組む場合は追加で0.6%。€300,000の物件なら印紙税は€2,400です。

購入コストの合計は**約6〜12%**です。内訳としてIMT1〜8%、印紙税0.8%、弁護士費用1〜2%、公証人・登記€500〜1,500。例えば€300,000の投資用物件なら、IMT約€12,400、印紙税€2,400、ノタリオ€300、登記€300、弁護士€4,500で、**合計約€19,900(約6.6%)**になります。

保有時:IMI(固定資産税)

IMIは毎年支払う固定資産税です。都市部の物件は0.3〜0.45%、農村部は0.8%。税率は自治体によって異なります。€300,000の物件(リスボン、税率0.36%)なら、年間IMIは約**€1,000〜1,500**程度です。課税標準はVPT(税務評価額)で、市場価格より低いことが多いです。

高額物件には**AIMI(追加IMI)**があります。個人の場合、€600,000を超える部分に0.7%、€1,000,000を超える部分に1.0%。夫婦共同所有なら免税枠は€1,200,000です。

保有時:賃貸所得税

非居住者の賃貸所得税は28%(フラット)です。これが問題なのは、経費控除がほぼ認められないこと。グロス収入(総額)に28%が課税されるため、税負担が重くなります。例えば年間賃料€14,400なら、税額は€4,032です。

ポルトガル居住者になれば累進課税が適用され、経費控除も可能です。税率は所得に応じて13.25%〜48%。低所得なら28%より低くなる可能性があります。同じ€14,400の賃料でも、経費控除€3,000後の課税所得€11,400に約23%で、税額は約**€2,622**です。手取りが€1,400以上増えます。

売却時:キャピタルゲイン税

非居住者のCGTは28%です。課税対象はキャピタルゲインの100%(インフレ調整後)。例えば€300,000で購入し€400,000で売却、インフレ調整後の取得価格が€320,000の場合、キャピタルゲインは€80,000。CGTは€22,400です。

居住者はゲインの50%のみ課税され、累進税率(最大48%)が適用されます。さらに、居住用物件の売却益を新居に再投資すれば免税可能です。非居住者にはこれらの優遇がありません。

法人所有の税金

法人税(IRC)は21%、地方税上乗せで実効税率は約**22.5%**です。個人の賃貸所得税28%より低いです。

項目 個人 法人
賃貸所得税 28% 22.5%
経費控除 ほぼ不可 広範囲
相続対策 なし あり
維持コスト 低い 年間€1,000〜3,000

複数物件を所有する場合は法人化を検討する価値があります。

NHR税制の廃止

NHR(非常習居住者制度)は外国人居住者向けの10年間の税優遇制度でしたが、2024年に新規申請が終了しました。既存の適用者は10年間継続しますが、新規取得はできません。代替として「IFICI」制度が導入予定ですが、対象者は限定的です。

二重課税防止

日本とポルトガルの間には租税条約があり、二重課税は調整されます。ポルトガルで支払った税金は、日本の確定申告で外国税額控除として申告可能です。ただし控除額には上限があり、全額が控除されるとは限りません。具体的な計算は国際税務に詳しい税理士に相談すべきです。

読者
読者

賃貸所得税28%は高すぎませんか?

田中(海外不動産アドバイザー)
田中(海外不動産アドバイザー)

確かに28%は高めです。表面利回り5%の物件でも、税引き後は約3.6%に下がります。対策は3つあります。1) ポルトガル居住者になる(経費控除可能)、2) 法人で所有する(実効税率22.5%、経費控除可能)、3) キャピタルゲイン重視の投資に切り替える(賃貸せず長期保有)。純粋なインカム重視なら、税金面でより有利な他国も検討してください。

実務的な注意点

NIF(納税者番号)はポルトガルで不動産を購入するのに必須です。取得場所は税務署(Finanças)、必要書類はパスポートと住所証明。非居住者はポルトガル居住の代理人が必要です。費用は無料ですが、弁護士に依頼すると€100〜300/年かかります。

確定申告は翌年4〜6月、方法はオンライン(Portal das Finanças)です。言語はポルトガル語のため、現地税理士に依頼することを推奨します。日本での確定申告も必要で、ポルトガルで支払った税金を外国税額控除として申告します。

まとめ

この記事のポイント
  • IMT(取得税)1〜8%
  • 印紙税0.8%
  • IMI(固定資産税)0.3〜0.45%
  • 賃貸所得税28%(非居住者)
  • CGT28%(非居住者)
  • 法人所有で実効税率22.5%
  • NHR税制は2024年新規申請終了

ポルトガルの税金は非居住者にとって負担が大きいです。税務処理は複雑なため、必ず専門家に相談しましょう。

よくある質問

Q
ポルトガルで不動産を購入する際の総コストはいくらですか?
A

約6〜12%です。内訳はIMT(取得税)1〜8%、印紙税0.8%、弁護士費用1〜2%、公証人・登記€500〜1,500。例えば€300,000の投資用物件なら、IMT約€12,400、印紙税€2,400、ノタリオ€300、登記€300、弁護士€4,500で、合計約€19,900(約6.6%)になります。

Q
非居住者の賃貸所得税28%を下げる方法はありますか?
A

3つの方法があります。①ポルトガル居住者になる(経費控除可能、累進税率で低所得なら28%より低い)。②法人で所有する(実効税率22.5%、経費控除可能)。③キャピタルゲイン重視の投資に切り替える(賃貸せず長期保有)。複数物件を所有する場合は法人化を検討する価値があります。

Q
NHR税制はまだ使えますか?
A

いいえ、NHR(非常習居住者制度)は2024年に新規申請が終了しました。既存の適用者は10年間継続しますが、新規取得はできません。代替として「IFICI」制度が導入予定ですが、対象者は限定的(科学者、起業家など)で、一般的な不動産投資家には適用されにくいです。

Q
日本との二重課税はどう調整されますか?
A

日本とポルトガルの間には租税条約があり、二重課税は調整されます。ポルトガルで支払った税金は、日本の確定申告で外国税額控除として申告可能。ただし控除額には上限があり、全額が控除されるとは限りません。具体的な計算は国際税務に詳しい税理士に相談してください。


※本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
ポルトガルの税制は頻繁に変更されます。投資前に必ず現地の税理士・弁護士に相談してください。

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ポルトガル 税金 IMT IMI キャピタルゲイン
田中 この記事の筆者

田中

WORLD PROPERTY

大手不動産会社で10年勤務後、海外不動産投資のコンサルタントとして独立。東南アジアを中心に50件以上の投資サポート実績。

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