「不動産投資で海外に住めるようになるって本当ですか?」
——はい、本当です。多くの国が「不動産投資による居住権取得プログラム」を提供しています。
「ゴールデンビザ」と呼ばれるこれらのプログラムは、一定額以上の不動産投資で長期滞在許可を取得できます。ドバイ200万AED(約7,900万円)、ギリシャ50万ユーロ(約8,000万円)、マルタ約45万ユーロなど。ただし、2025年はスペインの廃止決定、ギリシャの値上げなど、制度変更が相次いでいます。
この記事では、不動産投資で移住ビザが取得できる国を一覧で解説します。
ゴールデンビザとは
投資による居住権取得プログラム
ゴールデンビザは、その国に一定額以上を投資することで、居住権(在留許可)を取得できるプログラムです。
一般的な投資方法
- 不動産購入
- 国債購入
- 銀行預金
- ファンド投資
- 事業投資
ゴールデンビザを取ると、その国に住まなければいけないんですか?
多くの場合、居住義務は緩いか、ほとんどありません。年に数日〜数週間滞在すれば更新できるプログラムが多いです。つまり、日本に住みながら海外の居住権を持ち、いつでも移住できる状態にしておける。これが投資家にとっての大きな魅力です。ただし、国によって条件が異なるので、詳細は確認が必要です。
国別ゴールデンビザ比較表
| 国 | 最低投資額 | ビザ期間 | 市民権への道 |
|---|---|---|---|
| ドバイ(UAE) | 200万AED(約7,900万円) | 10年 | 原則なし |
| ギリシャ | 50万EUR(約8,000万円) | 5年 | 7年で申請可能 |
| マルタ | 約45万EUR(約7,500万円) | 更新可能 | 別途市民権プログラムあり |
| スペイン | 50万EUR(約8,300万円) | 2年 | ⚠️廃止予定 |
| ポルトガル | — | — | ⚠️不動産投資は廃止済み |
| タイ | 50万USD(約7,800万円) | 5年 | なし |
| マレーシア | 20万MYR(約640万円)+条件 | 5年 | なし |
| スリランカ | 10万USD(約1,600万円) | 5年 | なし |
※為替レートは2025年末時点の概算。条件は変更される可能性があります。
ヨーロッパ
ギリシャ
最も人気のあるヨーロッパのゴールデンビザの一つ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低投資額 | 50万EUR(約8,000万円) |
| ビザ期間 | 5年(更新可能) |
| 居住義務 | なし |
| 家族 | 配偶者、子供、両親も取得可能 |
| 市民権 | 7年居住で申請可能 |
| シェンゲン | シェンゲン圏内を自由に移動可能 |
ギリシャは2024年に投資最低額を25万EURから50万EURに値上げしました。アテネ、テッサロニキなどの人気エリアでは80万EURが必要な場合もあります。今後さらなる値上げの可能性もあるため、検討中の方は早めの決断が推奨されます。
マルタ
地中海の島国。EU市民権への最短ルートとして人気。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低投資額(購入) | 約45.5万EUR(不動産+寄付) |
| 最低投資額(賃貸) | 約18万EUR(賃貸+寄付) |
| ビザ期間 | 更新可能 |
| 居住義務 | 年間数日程度 |
| 市民権 | 別途市民権プログラムあり(高額) |
マルタのゴールデンビザは2025年1月から条件が変更されました。不動産購入の場合、不動産代金に加えて政府への寄付が必要になり、総額で約45万EUR以上が必要です。
スペイン
⚠️ 廃止予定
スペイン政府はゴールデンビザの廃止を発表しました。施行時期は未定ですが、近い将来、不動産投資による居住権取得はできなくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低投資額 | 50万EUR(約8,300万円) |
| ビザ期間 | 2年(更新可能) |
| 市民権 | 10年居住で申請可能 |
| 状況 | ⚠️廃止予定 |
ポルトガル
⚠️ 不動産投資オプションは廃止済み
ポルトガルは2023年10月に不動産投資によるゴールデンビザを廃止しました。現在は投資ファンドへの投資など、限られたオプションのみ利用可能です。
ヨーロッパのゴールデンビザ、次々に廃止や値上げになっていますね...
その通りです。ヨーロッパでは不動産価格高騰や政治的な批判を受けて、ゴールデンビザの条件が厳しくなる傾向にあります。ポルトガルは不動産オプションを廃止、スペインも廃止予定、ギリシャは値上げ。検討している方は、制度が変更される前に早めに行動することをおすすめします。
中東
ドバイ(UAE)
税金なし、長期ビザ、ビジネスしやすい環境で人気急上昇。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低投資額 | 200万AED(約7,900万円) |
| ビザ期間 | 10年(更新可能) |
| 居住義務 | 6ヶ月に1回入国が目安 |
| 家族 | 配偶者、子供も取得可能 |
| 市民権 | 原則なし(投資では取得困難) |
| 税金 | 所得税・キャピタルゲイン税なし |
ドバイは所得税・キャピタルゲイン税がゼロで、税制上の大きなメリットがあります。また、年間5万人以上にゴールデンビザを発給しており、取得条件も比較的緩やか。不動産投資以外に、専門家(医師、エンジニアなど)としてのルートもあります。
東南アジア
タイ
タイランド・エリートビザに加え、投資家向けビザも存在。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低投資額 | 50万USD(約7,800万円) |
| 投資対象 | 国債、不動産、直接投資の組み合わせ |
| ビザ期間 | 5年 |
| 居住義務 | 年間90日以上 |
| 市民権 | 困難 |
タイには別途「タイランド・エリート」というプログラムもあります。60万〜200万バーツ(約250万〜830万円)の会員費で5〜20年のビザが取得可能。不動産投資とは別の選択肢として検討できます。
マレーシア
MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)プログラム。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 参加費 | 20万MYR(約640万円) |
| 定期預金 | 100万MYR(約3,200万円)以上 |
| ビザ期間 | 5年(更新可能) |
| 居住義務 | 年間90日以上 |
| 市民権 | 困難 |
| 特典 | 不動産購入、ビジネス可能 |
スリランカ
比較的低額で居住ビザが取得可能。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最低投資額 | 10万USD(約1,600万円) |
| ビザ期間 | 5年 |
| 20万USD以上 | 10年ビザ |
| 居住義務 | 緩い |
カリブ海
カリブ海市民権プログラム
カリブ海諸国では、投資による「市民権」(パスポート)取得が可能です。
| 国 | 最低投資額 | 取得期間 |
|---|---|---|
| ドミニカ国 | 20万USD(寄付) | 3〜6ヶ月 |
| セントキッツ・ネイビス | 25万USD(寄付) | 3〜6ヶ月 |
| グレナダ | 22万USD(寄付) | 3〜6ヶ月 |
| アンティグア・バーブーダ | 23万USD(寄付) | 3〜6ヶ月 |
市民権とゴールデンビザは何が違うんですか?
ゴールデンビザは「居住権」で、その国に住む権利を得ます。更新が必要で、市民ではありません。一方、市民権プログラムは「パスポート」を取得でき、その国の市民になります。カリブ海諸国のパスポートは、多くの国にビザなしで入国でき、セカンドパスポートとして人気があります。ただし、目的と予算に応じて選択してください。
2025年の動向と注意点
条件厳格化の傾向
- ポルトガル:不動産オプション廃止済み
- スペイン:廃止予定
- ギリシャ:25万→50万EURに値上げ
- マルタ:2025年1月から条件変更
検討時のチェックポイント
- 最新の条件を専門家に確認
- 制度変更のリスクを考慮
- 居住義務の有無
- 更新条件と費用
- 市民権への道があるか
- 税制上のメリット・デメリット
投資判断:ゴールデンビザのメリット・デメリット
- 海外に居住権を確保できる
- 居住義務が緩い国が多い
- 家族も同時に取得可能
- シェンゲン圏など自由移動の権利
- いつでも移住できる「保険」
- 投資自体のリターンも期待可能
- 高額な投資が必要(数千万〜1億円)
- 制度変更・廃止のリスク
- 不動産価格の下落リスク
- 更新費用・維持コスト
- 市民権は別途条件が必要
- 日本の税務上の影響を要確認
まとめ
移住ビザが取れる不動産投資先のポイント:
- ドバイ:200万AED(約7,900万円)で10年ビザ、税金メリット大
- ギリシャ:50万EUR(約8,000万円)、シェンゲン圏、7年で市民権申請可
- マルタ:約45万EUR、EU市民権への道あり
- スペイン:⚠️廃止予定
- ポルトガル:⚠️不動産オプション廃止済み
- ヨーロッパは条件厳格化が進行中。検討中なら早めの行動を
ゴールデンビザは「いつでも海外に移住できる権利」を確保する有効な手段です。ただし、高額な投資が必要であり、制度変更のリスクもあります。専門家に最新情報を確認し、投資目的・移住計画・税務上の影響を総合的に検討した上で判断してください。
よくある質問
国によります。ギリシャは7年居住で市民権申請可能、マルタは別途市民権プログラムあり。一方、ドバイは投資だけで市民権を取得するのは困難です。永住権・市民権を目指す場合は、その国の条件を事前に確認してください。
多くの国では居住義務が緩いか、ほとんどありません。ギリシャは居住義務なし、ドバイは6ヶ月に1回の入国が目安、タイは年間90日以上など。日本に住みながら海外の居住権を維持できるケースが多いです。
スリランカが10万USD(約1,600万円)で5年ビザ、マレーシアMM2Hが20万MYR(約640万円)+定期預金で比較的低コスト。ただし、条件や特典が異なるため、単純な金額比較ではなく、目的に合った国を選んでください。
厳格化の傾向が続いています。ポルトガルは不動産オプションを廃止、スペインも廃止予定、ギリシャは値上げ。EU内では投資ビザへの批判が高まっており、今後も条件変更の可能性があります。検討中なら早めの行動をおすすめします。
ゴールデンビザを取得しても、日本に住み続ける限り日本の税法が適用されます。海外不動産からの収入は日本で確定申告が必要です。実際に海外に移住して日本の非居住者になれば、日本での課税は国内源泉所得に限定されます。税務上の影響は税理士に相談してください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の国やビザプログラムを推奨するものではありません。
各国の制度は変更される可能性があります。最新情報は専門家にご確認ください。
海外不動産投資・移住にはリスクが伴います。最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。