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スペイン不動産の税金ガイド|ITP・所得税・CGT【2025年版】
ヨーロッパ 法規制・税金

スペイン不動産の税金ガイド|ITP・所得税・CGT【2025年版】

2025-12-30
2026-01-01 更新

スペイン不動産の税金を2025年最新情報で解説。ITP6〜11%(州別)、賃貸所得税24%、CGT19〜23%を紹介。

スペイン不動産投資では、購入時・保有時・売却時にそれぞれ異なる税金がかかります。

特に購入時のITP(取得税)は州によって6〜11%と大きく異なります。

税金の全体像

時点 税金 税率
購入時 ITP(中古取得税) 6〜11%(州別)
購入時 IVA(新築VAT) 10%
購入時 AJD(印紙税) 0.5〜1.5%
保有時 IBI(固定資産税) 0.4〜1.1%
保有時 賃貸所得税 24%(非EU)/19%(EU)
売却時 CGT(キャピタルゲイン税) 19〜26%(累進)

購入時:ITP(州別取得税)

ITPは州によって大きく異なります

ITP 主要都市 合計コスト
マドリード州 6% マドリード 約8〜10%
アンダルシア州 7% マラガ、マルベーリャ 約10〜12%
バレアレス諸島 8〜11%(累進) マヨルカ 約11〜15%
バレンシア州 10% バレンシア 約12〜15%
カタルーニャ州 10% バルセロナ 約12〜15%

マドリード州(6%)とカタルーニャ州(10%)で4%の差があります。€300,000の物件でITPは€18,000 vs €30,000と、€12,000の差が出ます。

新築物件はITPではなくIVA(付加価値税)10%が適用され、全国一律です。土地購入の場合はIVA21%です。

購入コストの比較

€300,000の中古物件で比較:

マドリード:ITP€18,000、AJD€2,250、ノタリオ€600、登記€500、弁護士€4,500、合計約€25,850(約8.6%)

バルセロナ:ITP€30,000、AJD€4,500、ノタリオ€600、登記€500、弁護士€4,500、合計約€40,100(約13.4%)

州によって約5%の差が出ます。

保有時:賃貸所得税

非居住者の賃貸所得税は居住地によって税率と控除が異なります

居住地 税率 経費控除
EU/EEA市民 19% 可能
それ以外(日本含む) 24% 不可

日本人は**グロス収入に24%**が課税されるため、税負担が重くなります。

日本人とEU市民の比較

年間賃料€12,000、経費€3,000の場合:

  • 日本人:経費控除€0、課税所得€12,000、税額**€2,880**(€12,000×24%)
  • EU市民:経費控除€3,000、課税所得€9,000、税額**€1,710**(€9,000×19%)

日本人は年間**€1,170多く**税金を払います。長期投資では大きな差になります。

空室の場合

空室でも**帰属賃料税(Imputación de Rentas)**がかかります。非居住者が自己利用または空室の物件を所有する場合、Valor Catastral(登録価値)の1.1〜2%に対して24%(非EU)または19%(EU)が課税されます。

売却時:キャピタルゲイン税

CGTは累進税率です。

キャピタルゲイン 税率
€6,000以下 19%
€6,001〜50,000 21%
€50,001〜200,000 23%
€200,001以上 26%

3%源泉徴収

非居住者が売却する際、買主は売却価格の3%を源泉徴収してスペイン税務当局に納付する義務があります。これはCGTの前払いで、実際のCGTが3%より少なければ還付、多ければ追加納付が必要です。

例:€300,000で売却 → €9,000が源泉徴収

計算例

€250,000で購入、€350,000で売却(日本人):

  • 売却価格:€350,000
  • 取得価格:€250,000
  • 購入コスト(10%):€25,000
  • 調整後取得価格:€275,000
  • キャピタルゲイン:€75,000
  • CGT(累進):約€15,000
  • 3%源泉徴収:€10,500
  • 差額の**€4,500**を追加納付

二重課税防止

日本とスペインの間には租税条約があり、二重課税が調整されます。不動産所得とCGTはスペインで課税(源泉地主義)されます。スペインで支払った税金は、日本の確定申告で外国税額控除として申告可能です。

ただし控除額には上限があり、全額控除されるとは限りません。国際税務に詳しい税理士に相談してください。

読者
読者

マドリードとバルセロナ、どちらが税金面で有利ですか?

田中(海外不動産アドバイザー)
田中(海外不動産アドバイザー)

購入コストではマドリードが有利です。ITPはマドリード6%、バルセロナ(カタルーニャ州)10%で4%の差。€300,000の物件で€12,000の差です。ただし、物件価格自体がマドリードの方が高いため(€6,021 vs €2,981/㎡)、総投資額で比較する必要があります。賃貸所得税やCGTは全国共通です。

節税のポイント

  1. 州の選択:ITPが低い州(マドリード6%)を選ぶと4%以上の差
  2. 新築 vs 中古:新築はIVA10%固定、中古のITPは州による
  3. 長期保有:CGTの累進税率に注意、購入コストは取得価格に加算可能
  4. 法人化:複数物件なら検討、経費控除のメリット大(法人税25%)

実務的な注意点

**NIE(外国人識別番号)**はスペインで不動産を購入・売却するには必須です。税務、銀行口座開設、すべてに必要です。スペイン大使館または現地で取得、費用約€10、期間2〜4週間です。

確定申告:賃貸所得税は四半期ごとにForm 210で申告します。CGTは売却後4ヶ月以内に申告します。言語はスペイン語なので、現地税理士(Gestor/Asesor Fiscal)に依頼することを推奨します。

まとめ

この記事のポイント
  • ITP6〜11%(州別)、マドリード6%が最安
  • 賃貸所得税24%(非EU)/19%(EU)
  • 日本人は経費控除不可でEU市民より税負担が重い
  • CGT19〜26%(累進)、3%源泉徴収
  • 州の選択で購入コスト約5%の差
  • 租税条約で二重課税は調整可能

スペインの税金は州によって大きく異なります。税務処理は複雑なため、必ず専門家に相談してください。

よくある質問

Q
日本人がスペインで不動産投資すると、EU市民より税金が高いですか?
A

はい、賃貸所得税で大きな差があります。日本人は24%でグロス収入に課税(経費控除不可)、EU市民は19%で経費控除可能。年間賃料€12,000、経費€3,000の場合、日本人は€2,880、EU市民は€1,710で年間€1,170の差。長期投資では大きな負担になります。

Q
スペインで購入コストが最も安い州はどこですか?
A

マドリード州です。ITP(中古取得税)が6%で、カタルーニャ州(バルセロナ)の10%より4%安い。€300,000の物件で比較すると、マドリード約€25,850(8.6%)、バルセロナ約€40,100(13.4%)で約€14,000の差が出ます。

Q
売却時の3%源泉徴収とは何ですか?
A

非居住者が売却する際、買主は売却価格の3%を源泉徴収してスペイン税務当局に納付する義務があります。これはCGT(キャピタルゲイン税)の前払いで、実際のCGTが3%より少なければ還付、多ければ追加納付が必要。例えば€300,000で売却すると€9,000が源泉徴収されます。

Q
スペインと日本の二重課税はどう調整されますか?
A

日本とスペインの間には租税条約があり、二重課税が調整されます。不動産所得とCGTはスペインで課税(源泉地主義)。スペインで支払った税金は、日本の確定申告で外国税額控除として申告可能。ただし控除額には上限があり、全額控除されるとは限りません。国際税務に詳しい税理士に相談してください。


※本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
スペインの税制は頻繁に変更されます。投資前に必ず現地の税理士・弁護士に相談してください。

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スペイン 税金 ITP 非居住者 キャピタルゲイン
田中 この記事の筆者

田中

WORLD PROPERTY

大手不動産会社で10年勤務後、海外不動産投資のコンサルタントとして独立。東南アジアを中心に50件以上の投資サポート実績。

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