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タイ不動産の出口戦略|転売・相続・売却タイミングの考え方
東南アジア 投資戦略

タイ不動産の出口戦略|転売・相続・売却タイミングの考え方

2025-12-17
2026-01-01 更新

タイ不動産の出口戦略を解説。転売の難しさ、売却タイミング、相続時の注意点、外国人枠の制約など、投資前に知っておくべきポイントを紹介。

「タイの物件って、いざという時に売れるの?」

海外不動産投資を検討する日本人から、よく聞かれる質問です。

答えは「エリアを選べば売れる」。ただし、外国人枠(49%)の制約があるため、購入時点で転売先が限定されます。5年以上保有で税金が大幅に軽減され、バンコクCBDなら外国人需要が高く売却しやすい。一方で、チェンマイやシラチャなど市場規模が小さいエリアは流動性が低いのが現実です。

この記事では、タイ不動産の出口戦略について解説します。

タイ不動産の転売の特殊性

タイでは外国人が購入できるのはコンドミニアムの49%枠のみです。これが転売にも大きく影響します。

外国人が購入した物件は、基本的に外国人にしか売れません。外国人枠がすでに埋まっている物件は、新たな外国人購入者に売却できません。タイ人に売ることも可能ですが、タイ人は51%枠で安い価格の物件を選べるため、外国人価格では売れにくいのが実情です。

つまり、購入時点で将来の転売先も外国人に限定されることを理解しておく必要があります。

転売市場の流動性はエリアによって大きく異なります。バンコクCBD(スクンビット、シーロム等)は外国人需要が多く流動性が高い。パタヤやプーケットは外国人投資家が活発で中程度。チェンマイは市場規模が小さく低い。シラチャ(EEC)はニッチ市場で低いです。

読者
読者

タイの物件は売りにくいんですか?

田中(海外不動産アドバイザー)
田中(海外不動産アドバイザー)

バンコク中心部など外国人需要が高いエリアなら、適正価格で売り出せば買い手は見つかります。ただし、日本の不動産ほど流動性が高くないため、売却には数ヶ月〜1年程度かかることが多いです。購入時から「誰に売るか」を想定しておくことが大切です。

売却タイミングの考え方

タイでは所有期間によって売却時の税金が大きく変わります。

保有期間 特別事業税 総コスト目安
5年未満 3.3% 約6〜10%
5年以上 非課税 約3〜6%
10年以上 非課税 約3〜5%

5年未満の売却では特別事業税3.3%がかかり、源泉税率も3〜5%と高めです。5年以上保有すると特別事業税が非課税になり、印紙税0.5%と源泉税1〜3%程度で済みます。10年以上になると源泉税はさらに1〜2%程度に下がります。

5年以上保有で特別事業税3.3%が非課税になるため、税金面では5年以上の保有が有利です。

市場サイクルから見た売り時は、周辺で大規模な新規供給がない時期、観光客・駐在員数が回復・増加している時期、バーツ高の時期(円換算で有利)、インフラ開発の完了直後(高速鉄道開業等)です。

逆に避けるべきタイミングは、供給過剰で空室率が上昇している時期、経済不況・政情不安の時期、急激な円高バーツ安の時期、規制強化の議論が進んでいる時期です。

売却タイミングの鉄則

「5年以上保有」を基本とし、税金を最小化しましょう。短期売却は特別事業税3.3%に加えて源泉税も高くなり、総コストが10%近くになることも。長期保有で3〜6%程度に抑えられます。

売却の流れと費用

売却の流れは6ステップです。まず周辺の成約事例を調査し、適正な売却価格を設定。管理会社や不動産エージェントに相談します。次に不動産エージェントに売却を依頼。専任契約か一般契約かを選択します。

買い手が見つかったら内見対応と価格交渉。外国人買い手の場合はFET(外国為替取引証明書)取得の確認が必要です。契約書の作成、手付金の受領。弁護士によるレビューを推奨します。土地局(Land Department)で名義変更し、税金はこの時点で支払います。最後に残金を受け取り、物件を引き渡し。日本への送金手続きを行います。

売却にかかる費用は所有期間によって大きく異なります。5年未満の場合、移転登記税(買い手と折半で1%)、特別事業税3.3%、源泉所得税1〜5%、エージェント手数料1〜3%で、合計約6〜10%です。5年以上の場合は特別事業税が非課税になり、印紙税0.5%、源泉税、エージェント手数料で合計約3〜6%に抑えられます。

読者
読者

エージェントはどうやって探せばいいですか?

田中
田中

購入時に利用した不動産会社に相談するのが一番です。物件のことをよく知っていますし、買い手のネットワークも持っています。日系の海外不動産会社なら日本語で対応してもらえます。

相続時の注意点

タイには相続税がないため、相続による資産承継は税務上有利です。外国人でも相続で物件を取得可能で、相続人が外国人の場合、外国人枠(49%)内であれば承継できます。

相続の手続きは、日本での相続手続き(遺産分割協議等)を行い、タイでの相続登記(土地局)を申請します。必要書類は死亡証明書、相続関係図、遺言書(あれば)等で、タイ語への翻訳・公証が必要です。弁護士への依頼を強く推奨します。

ただし、日本の相続税は課税される点に注意が必要です。日本の居住者が海外不動産を相続した場合、日本の相続税の対象となります。海外資産も含めた遺産総額で課税されるため、事前の相続対策が重要です。

遺言書の作成を推奨

タイに不動産を持つ場合、日本とタイ両方での相続手続きが必要になります。遺言書がないと手続きが複雑化し、時間も費用もかかります。海外不動産を購入したら、遺言書の作成を検討してください。

転売を成功させるポイント

購入時から出口を意識することが最も重要です。外国人需要が高いエリアを選ぶ(バンコクCBD等)、駅近など立地を重視する、大手デベロッパーの人気物件を選ぶ、適正価格で購入する(高値掴みを避ける)ことが基本です。

逆に避けるべきは、流動性の低いエリア、外国人枠が埋まりそうな物件、過度なカスタマイズ(自分好みの内装は買い手を限定する)です。

物件の維持管理も重要です。売却時に物件状態が良いほど、高値で早く売れます。定期的なメンテナンス、入居者の質の管理(部屋を荒らされない)、設備の更新(エアコン、給湯器等)、内装のリフレッシュ(5〜7年ごと)を心がけましょう。

適正価格での売り出しも成功の鍵です。周辺の成約事例を調査し、「購入価格+諸経費+期待利益」という計算ではなく、市場価格に基づいて価格設定してください。市場価格を無視した高値設定は長期塩漬けの原因になります。

まとめ

タイ不動産の出口戦略は、購入前から考えておくべき重要なテーマです。

  • 外国人枠(49%)により転売先は外国人に限定
  • 5年以上保有で税金が大幅に軽減(3〜6%)
  • 5年未満は税金が高い(6〜10%)
  • バンコクCBDなど流動性の高いエリアを選ぶ
  • タイに相続税はないが日本では課税される
  • 購入時から出口を意識した物件選びが重要

「いつ、いくらで、誰に売るか」を事前に想定しておきましょう。

よくある質問

Q
タイの不動産は売れにくいですか?
A

外国人枠(49%)の制約があるため、転売先は基本的に外国人に限られます。バンコクCBDなど外国人需要が高いエリアなら売却可能ですが、日本の不動産ほど流動性は高くありません。売却には数ヶ月〜1年程度かかることも珍しくありません。購入時から「誰に売るか」を想定しておくことが大切です。

Q
売却時の税金はいくらかかりますか?
A

5年未満の売却で約6〜10%(特別事業税3.3%+源泉税+移転税等)、5年以上の売却で約3〜6%(印紙税0.5%+源泉税+移転税等)が目安です。5年以上保有すると特別事業税が非課税になるため、税金面では5年以上の保有が有利です。

Q
タイ不動産を相続したら税金はかかりますか?
A

タイには相続税がありませんが、日本の居住者が相続した場合は日本の相続税の対象になります。海外資産も含めた遺産総額で課税されるため、事前の相続対策が重要です。遺言書の作成も検討してください。

Q
売却価格はどうやって決めればいいですか?
A

周辺の成約事例を調査し、市場価格に基づいて決めてください。「購入価格+諸経費+期待利益」という計算ではなく、今の市場で買い手がつく価格を設定することが重要です。不動産エージェントに相談して、適正価格の目安を確認しましょう。


※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
各国の法規制・税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。