「日本に住んでいても、アメリカで住宅ローンって組めるの?」
組めます。「Foreign National Loan」という外国人向け専門のローン商品があります。ただし、金利は7〜11%、頭金は30〜50%と、アメリカ市民向けより条件は厳しいです。それでもレバレッジを効かせたい投資家には選択肢になります。
アメリカで不動産を購入する際、外国人でもローンを利用できることをご存知でしょうか。
ただし、アメリカ市民向けの一般的なローンとは条件が異なります。2025年現在、外国人向けローンの金利は7〜11%、頭金は20〜50%が一般的です。
この記事では、外国人がアメリカで不動産ローンを組む方法を詳しく解説します。
外国人でもローンが組める
| ローン種類 | 金利 | 頭金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 外国人向け | 7〜11% | 30〜50% | SSN不要 |
| DSCRローン | 8〜11% | 25〜40% | 物件収益で審査 |
| ITINローン | 7〜9% | 20〜30% | ITIN取得者向け |
社会保障番号(SSN)がないとローンは無理だと聞いたけど?
SSNがなくても大丈夫です。外国人向けローンはSSN不要で、ITIN(納税者番号)があればOK。ITINもなくても借りられる商品もあります。米国のクレジットヒストリーも不要で、日本の信用情報で審査してくれます。
アメリカでは、外国人(非居住者)でも「Foreign National Loan」と呼ばれる専門のローン商品を利用できます。
アメリカ市民と外国人では条件が大きく異なります。SSN(社会保障番号)はアメリカ市民には必須ですが、外国人はITINで代用できます。米国クレジットヒストリーもアメリカ市民には必須ですが、外国人は不要です。金利はアメリカ市民が6〜7%なのに対し、外国人は7〜11%。頭金はアメリカ市民が3〜20%なのに対し、外国人は20〜50%必要です。
2025年の重要な変更点
2025年5月から、FHA(連邦住宅局)は非永住者へのローン保証を停止しました。これにより、外国人が利用できないローンが増えています。
外国人が利用できないローン:FHAローン、VAローン(退役軍人向け)、USDAローン(農村部向け)、ファニーメイ・フレディマック保証の従来型ローン。
外国人が利用できるローン:Foreign National Loan(外国人向け専門商品)、DSCRローン(物件収益ベース)、ITINローン(ITIN取得者向け)、ポートフォリオローン(銀行独自商品)。
金利と頭金の条件
外国人向けローンの金利って実際どのくらい?
2025年現在、居住用で7.14〜7.64%、投資用で8〜11%程度です。アメリカ市民向けより2〜4%高いですね。頭金も30〜50%必要なので、$500,000の物件なら最低$150,000(約2,250万円)は用意してください。
2025年の外国人向けローン金利は、居住用で7.14〜7.64%、投資用で8〜11%程度です。DSCRローンは従来型+1〜2%、ITINローンは7〜9%です。
頭金は外国人向けローンでは30〜50%が一般的です。最低は20%(一部の優良プログラム)、一般的には30%、投資用・高リスク物件なら40〜50%必要になります。
例えば$500,000の物件を購入する場合、頭金30%なら$150,000(約2,250万円)、頭金50%なら$250,000(約3,750万円)が必要です。
DSCRローン:投資家に最適
DSCRローンって何?外国人に向いてるって聞いたけど…
DSCR(Debt Service Coverage Ratio)ローンは、個人の収入ではなく物件の賃貸収入でローン返済能力を審査します。外国人投資家に非常に向いていますよ。日本での収入証明や米国のクレジットヒストリーが不要で、物件が稼いでくれるなら審査に通ります。金利は少し高めですが、最も使いやすいローンタイプです。
DSCRローンは物件の賃貸収入でローン返済能力を審査するローンです。
DSCRの計算例:月間賃料収入が$3,000で、月間ローン返済(PITI)が$2,400なら、DSCR = $3,000 ÷ $2,400 = 1.25。DSCR 1.25以上なら審査通過の可能性が高いです。
DSCRローンのメリットは、個人収入証明が不要または簡略化されること、米国クレジットヒストリーが不要なこと。投資用物件を購入する外国人にとって、最も利用しやすいローンタイプの一つです。ただし、金利は通常のローンより1〜2%高くなります。
必要書類
どんな書類を用意すればいいの?
基本的にはパスポート、収入証明、銀行残高証明です。日本の書類は英訳が必要ですが、そこまで複雑ではありません。一番重要なのは「シーズンドファンド」と呼ばれる資金証明。頭金と諸費用に充てる資金が60日以上銀行口座に入っていることを証明する必要があります。
外国人向けローンに必要な書類は、パスポート(有効なもの)、ビザまたはビザ免除証明(入国歴の証明)、ITIN(取得済みなら提出、なくても可)、収入証明(雇用証明、給与明細、確定申告書など)、銀行残高証明(頭金と諸費用をカバーする資金)、クレジットレポート(本国のもの、米国のものは不要)です。
シーズンドファンド(Seasoned Funds)が重要です。頭金と諸費用に充てる資金は、60日以上銀行口座に入っている必要があります。米国口座でも本国口座でも可ですが、入金直後の資金は「シーズンドではない」として拒否される可能性があります。
さらにキャッシュリザーブ(現金準備)として、月々の支払いをカバーする3〜9ヶ月分のリザーブが必要です。月々の支払いが$3,000なら、$9,000〜$27,000の追加資金が必要になります。
主要レンダー(貸し手)
外国人向けローンを提供する金融機関はいくつかある。
America Mortgagesは外国人専門で、グローバル対応に強いです。Griffin Fundingは外国人・ITINローン対応。HSBC Bank USAは国際的な銀行で、プレミア顧客向けです。Angel Oak Mortgageは非QMローン専門。Quonticはオンラインバンクで、柔軟な審査が特徴です。Ameritrust Mortgageは外国人ローン専門です。
レンダー選びのポイントは、外国人向けローンの実績があるか、本国の収入・クレジットを審査できるか、コミュニケーション(英語・多言語対応)、金利と手数料の透明性、クロージングまでの期間です。
審査プロセス
申込から融資実行まで、どのくらいかかるの?
外国人向けローンは通常4〜8週間かかります。アメリカ市民向けより長めですね。追加書類の確認、本国の収入証明の検証、翻訳書類のチェックなどで時間がかかります。物件の売買契約では、余裕をもったクロージング日を設定してください。
審査の流れは5ステップです。まずプリアプルーバル(事前承認)で収入・資産状況を提出し、借入可能額の目安を取得します。物件探しの前に取得しておくと有利です。次に物件選定・購入契約でプリアプルーバルをもとに物件を選定し、購入契約を締結します。ローン本申込で正式な申込書類を提出し、物件の評価(Appraisal)が行われます。審査・承認で書類審査、物件評価、保険確認などが通常2〜4週間。最後にクロージングで最終書類に署名、資金の送金、所有権移転です。
外国人向けローンは追加書類の確認に時間がかかるため、通常より長め(4〜8週間)を見込んでください。
コストとフィー
初期費用として、ローンオリジネーションフィーが0.5〜2%、アプレイザル(評価)費用が$500〜1,000、タイトル保険が0.5〜1%、エスクロー費用が$500〜2,000、その他諸費用が1〜2%。総額で物件価格の2〜5%が初期費用として必要です。
ローンシミュレーション
実際に借りたら、毎月いくら払うことになるの?
$500,000の物件で頭金30%、金利8%、30年ローンなら、月々の支払いは約$3,135です。内訳は元利返済$2,568、固定資産税$417、保険$150。この物件で月$3,500の家賃が取れれば、キャッシュフローはほぼトントンですね。
$500,000の物件を購入する場合のシミュレーションです。物件価格$500,000、頭金30%($150,000)、ローン額$350,000、金利8%、期間30年として計算すると、元利返済(P&I)が月額$2,568、固定資産税(1%)が月額$417、保険が月額$150、合計(PITI)が月額$3,135、年額$37,616です。
この物件で月$3,500の家賃が取れれば、キャッシュフローはほぼトントンです。
現金購入という選択肢
金利が高いなら、現金で買った方がいいんじゃない?
実際、外国人投資家の多くは現金購入を選びます。金利負担なし、審査不要で取引がスムーズ、売主に好まれるなどメリットがあります。ただし、レバレッジ効果がないので資金効率は下がります。$500,000の物件を1軒現金で買うか、$150,000ずつ頭金を入れて3軒買うか、投資戦略によって判断が分かれます。
外国人投資家の中には、ローンを使わず現金で購入する人も多いです。
現金購入のメリットは、金利負担なし、審査不要で取引がスムーズ、売主に好まれる(競争優位)、空室時のリスクが低いことです。
現金購入のデメリットは、大きな資金が必要、レバレッジ効果がない、資金効率が下がることです。
高金利のため、資金に余裕があれば現金購入も十分検討価値があります。
ローンを使うメリット・デメリット
- 少ない自己資金で大きな物件を購入可能(レバレッジ)
- 残りの資金を他の投資に回せる
- 金利は経費として控除可能(税メリット)
- インフレで実質返済額が減少
- 金利が高い(8〜11%)
- 頭金が大きい(30〜50%)
- 審査が厳しく時間がかかる
- 為替リスク(円建て収入でドル返済)
- 空室リスク(返済は続く)
まとめ
外国人でもアメリカで不動産ローンを組めますが、条件は厳しいです。
外国人向けローンの金利は7〜11%、頭金は20〜50%が一般的です。SSN不要、米国クレジットヒストリー不要で借りられます。60日以上シーズンドした資金と3〜9ヶ月分のリザーブが必要です。DSCRローンは投資用物件に最適で、物件の収益性だけで審査されます。審査に4〜8週間かかることもあります。高金利のため、現金購入も検討価値があります。
ローンを使うかどうかは、資金状況と投資戦略に応じて判断しましょう。
よくある質問
はい、可能です。Foreign National Loan(外国人向けローン)を提供するレンダーがあります。ただし、金利は7〜11%と高く、頭金も30〜50%必要です。また、日本の収入証明、銀行残高証明、クレジットレポートなどの書類を英訳して提出する必要があります。
ITINがなくてもForeign National Loanは組めます。ただし、ITINがあると選択肢が広がり、より有利な条件が得られることもあります。ITINは不動産購入とは別に、米国での税務申告のために取得することをおすすめします。取得方法は別記事で解説しています。
DSCR(Debt Service Coverage Ratio)ローンは、個人の収入ではなく、物件の賃貸収入でローン返済能力を審査するローンです。外国人投資家に非常に向いています。米国でのクレジットヒストリーや雇用証明が不要で、物件の収益性さえ証明できれば審査に通る可能性があります。ただし、金利は通常より1〜2%高めです。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品やローンの利用を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。ローンの条件は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。