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アメリカ不動産投資ガイド|外国人の購入条件・税金・州別比較【2025年版】
北米 市場分析

アメリカ不動産投資ガイド|外国人の購入条件・税金・州別比較【2025年版】

2025-12-30
2026-01-01 更新

アメリカ不動産投資を徹底解説。外国人の購入条件、FIRPTA、州別の規制・税金、2025年の最新情報を網羅したガイド。

「アメリカの不動産って、外国人でも買えるの?」

買えます。ビザや永住権がなくても、日本に住む日本人がアメリカの不動産を購入することは法的に可能です。ただし、不動産を買ってもビザは取得できないので注意が必要です。

アメリカは世界最大の不動産市場です。2024〜2025年の1年間で、外国人による購入額は560億ドル(約8兆円)を超えました。日本人投資家にとって、ドル資産を持てること、法整備が整っていること、流動性が高いことは大きな魅力です。一方で、近年は外国人規制を強化する州が増えており、投資前に最新情報を把握することが欠かせません。

この記事では、日本人がアメリカで不動産を購入する際に知っておくべきことを、2025年の最新情報で解説します。

外国人でも購入できる、ただし…

アメリカの不動産市場は、基本的に外国人に開かれています。ただし、よくある誤解を解いておきます。

読者
読者

不動産を買えば、グリーンカードがもらえるんじゃないの?

田中(海外不動産アドバイザー)
田中(海外不動産アドバイザー)

それは誤解です。不動産購入だけではビザも永住権も取得できません。投資家ビザ(EB-5)を狙うなら、不動産ではなく雇用創出につながる事業への投資(80万ドル以上)が必要です。

また、外国人には融資条件が厳しくなります。頭金は25〜50%が一般的で、金利もアメリカ居住者より1〜2%高くなります。現金購入できる資金があれば、交渉がスムーズに進むケースが多いです。

2025年の外国人規制:24州が法律を制定

ここ数年で状況が大きく変わったのが、州レベルの外国人規制です。

2025年現在、外国人所有法を制定している州は24州に上り、さらに12州が同様の法案を審議中です。規制の主な対象は、軍事施設周辺の土地、農地、重要インフラ周辺です。

多くの州規制は「敵対国」を対象にしており、日本は含まれていません。ただし、テキサス州やアイダホ州など、一部の州では「すべての外国人」を対象にした規制もあるので、購入前に確認が必要です。

例えば、フロリダ州の法律は中国・ロシア・北朝鮮などの国民を対象としており、日本人には影響しません。しかし、テキサス州では軍事施設周辺の土地購入に制限があり、国籍を問わず外国人が対象になる場合があります。

投資先の州が決まったら、必ず最新の法規制を確認してください。

購入に必要な準備

ITIN(納税者番号)は必須

アメリカで不動産を所有するには、ITIN(Individual Taxpayer Identification Number)が必要です。これはアメリカの社会保障番号(SSN)を持たない外国人向けの納税者番号で、物件購入後の納税、確定申告に使用します。

ITINを取得しないと、家賃収入に対して30%の源泉徴収が発生します。これは後から還付を受けられますが、資金繰りに影響するため、購入前に取得しておくことを強くおすすめします。

アメリカの銀行口座

必須ではありませんが、アメリカの銀行口座があると便利です。家賃収入の受け取り、固定資産税や管理費の支払い、将来のローン返済などに使えます。

ただし、非居住者の口座開設は年々厳しくなっています。対応している銀行(ユニオンバンク、バンク・オブ・ハワイなど)を事前に調べておきましょう。

FIRPTAを理解する:売却時に15%源泉徴収

アメリカ不動産投資で避けて通れないのが、FIRPTA(Foreign Investment in Real Property Tax Act)です。

これは、外国人が不動産を売却する際に、売却価格の**15%**が源泉徴収される制度です。売却益ではなく売却価格に対してかかるため、利益が少なくてもまとまった金額が一時的に差し引かれます。

読者
読者

15%も取られるの?それって戻ってくるの?

田中
田中

確定申告で精算できます。実際のキャピタルゲイン税額と比較して、源泉徴収額の方が多ければ差額が還付されます。ただし、還付には時間がかかるので、売却時の資金計画に織り込んでおきましょう。

なお、買主が居住目的で、売却価格が30万ドル以下の場合は源泉徴収が免除されます。30万〜100万ドルの場合は10%に軽減されます。

税金の全体像

アメリカの不動産税制は、州によって大きく異なります。同じ100万ドルの物件でも、ニュージャージー州なら年間2万5,000ドル近くの固定資産税がかかりますが、ハワイなら2,800ドル程度で済みます。

固定資産税:州選びが重要

固定資産税の全国平均は約1.14%ですが、州によって0.28%から2.49%まで幅があります。

ニュージャージー州(2.49%)、イリノイ州(2.27%)、テキサス州(1.80%)は税率が高いです。一方、ハワイ州(0.28%)、カリフォルニア州(0.76%)は比較的低くなっています。

テキサス州は所得税がないことで人気ですが、固定資産税が高いことは見落とされがちです。利回り計算には必ず固定資産税を含めましょう。

キャピタルゲイン税

売却益に対するキャピタルゲイン税は、保有期間で税率が変わります。

1年以下の短期売却は、通常の所得税率(10〜37%)が適用されます。1年超の長期保有なら優遇税率(0〜20%)が適用され、税負担が軽くなります。さらに、高所得者には3.8%のNIIT(Net Investment Income Tax)が加算されます。

日本での申告を忘れずに

日本居住者は、アメリカで得た不動産所得を日本でも申告する義務があります。家賃収入は不動産所得、売却益は譲渡所得として確定申告が必要です。

アメリカで納めた税金は、外国税額控除で二重課税を調整できます。ただし、計算が複雑なので、国際税務に詳しい税理士への相談をおすすめします。

州別の特徴:どこに投資するか

ハワイ:日本人に最も人気

ハワイは日本人投資家に最も人気のエリアです。日本語対応の不動産会社・管理会社が多く、時差も少ない(-19時間)ため遠隔管理がしやすいです。

コンドミニアムの平均価格は約100万ドル。利回りは3〜5%と高くありませんが、固定資産税が0.28%と全米最低水準なのが魅力です。リゾート需要で資産価値も安定しています。

テキサス:高利回りの成長市場

ダラス、ヒューストン、オースティンなどテキサス州は、所得税がなく、物件価格も30万〜50万ドルと手頃です。利回りは5〜7%とアメリカの中では高い部類です。

ただし、固定資産税が1.80%と高く、実質利回りは見かけより下がります。また、軍事施設周辺の土地購入には外国人規制があるため、物件選びには注意が必要です。

フロリダ:税金面で有利

フロリダ州も所得税がなく、固定資産税は約0.9%と中程度です。マイアミはラテンアメリカからの投資マネーが流入し、不動産市場が活況です。

利回りは4〜6%。外国人規制は「敵対国」が対象なので、日本人には影響しません。

カリフォルニア・ニューヨーク:資産価値重視

ロサンゼルス、ニューヨークは価格が高い(80万〜150万ドル以上)ですが、資産価値の安定性では群を抜きます。利回りは2〜4%と低めですが、長期的なキャピタルゲインを期待する投資家に向いています。

平均価格 利回り 固定資産税 所得税
ハワイ 約100万ドル 3〜5% 0.28% あり
テキサス 30〜50万ドル 5〜7% 1.80% なし
フロリダ 50〜100万ドル 4〜6% 0.9% なし
カリフォルニア 80〜150万ドル 3〜4% 0.76% あり
ニューヨーク 100万ドル超 2〜4% 約1% あり

LLCを設立すべきか

アメリカは訴訟社会です。テナントが物件内でケガをして訴訟を起こされた場合、個人名義だと個人資産まで差し押さえられるリスクがあります。LLCを設立しておけば、責任は会社の資産に限定されます。

読者
読者

個人名義とLLCどっちがいいですか?

田中
田中

多くの外国人投資家はLLC(有限責任会社)を設立しています。訴訟対策、プライバシー保護、相続手続きの簡素化がメリットです。ただし、設立・維持コストがかかるので、1軒だけなら個人名義でも問題ありません。

LLC設立で人気の州はデラウェア州(法人法が整備)、ワイオミング州(維持コストが低い)、ネバダ州(法人税なし)です。物件所在地と同じ州でなくても設立できます。

投資判断:こんな人に向いている

メリット
  • 世界最大の不動産市場でドル資産を持てる
  • 法整備が整っており透明性が高い
  • 流動性が高く売却しやすい
  • 日本語対応のエージェント・管理会社がある(ハワイなど)
  • LLCで訴訟リスクを限定できる
デメリット
  • 購入資金の目安は1,000万円以上
  • FIRPTAで売却時に15%源泉徴収
  • 固定資産税が日本より高い
  • 日米両方での確定申告が必要
  • 州によって規制・税率が大きく異なる

アメリカ不動産投資が向いているのは、ドル資産を持ちたい、長期的な資産形成が目的、1,000万円以上の投資資金があるという人です。

短期転売で儲けようとすると、FIRPTAや高い短期キャピタルゲイン税で思うようにいきません。「買って、持って、長期で育てる」スタンスが基本です。

まとめ

アメリカ不動産投資は、世界最大の市場でドル資産を保有できる魅力があります。外国人でも購入は可能ですが、知っておくべきルールは多いです。

  • 不動産購入だけではビザは取得できない
  • 24州が外国人規制を導入(2025年現在)
  • FIRPTAにより売却時に15%源泉徴収
  • 固定資産税は州により0.28〜2.49%と大きな差
  • ITINの取得とLLC設立を検討
  • 日本での確定申告も必要

州選びが投資成果を左右します。税金、規制、利回りを総合的に比較して、自分の投資目的に合った州を選びましょう。

よくある質問

Q
日本人がアメリカで不動産を買うのにビザは必要ですか?
A

ビザは不要です。日本に住む日本人でもアメリカの不動産を購入できます。ただし、不動産購入だけではビザや永住権は取得できません。

Q
FIRPTAの15%源泉徴収は取り戻せますか?
A

確定申告で精算できます。実際のキャピタルゲイン税額より源泉徴収額が多ければ、差額が還付されます。売却前にIRS Form 8288-Bで減額申請する方法もあります。

Q
アメリカ不動産投資で日本人に人気のエリアはどこですか?
A

ハワイが最も人気です。日本語対応が充実し、時差も少なく管理しやすいのが理由です。利回り重視ならテキサスやフロリダ、資産価値重視ならカリフォルニアやニューヨークも人気です。


※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
各国の法規制・税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。