「ベトナムって外国人でも不動産買えるの?50年って短くない?」
ベトナム不動産投資を検討する日本人から、よく聞かれる質問です。
答えはYes、ただし制約あり。ベトナムでは2015年から外国人の不動産購入が解禁されましたが、所有権ではなく50年のリースホールド(土地使用権)という形式です。さらに1回延長が認められており、最長100年間の保有が可能です。
2024年には不動産関連の法改正が行われ、透明性が向上しました。この記事では、ベトナム不動産の外国人購入ルールを詳しく解説します。
外国人購入の基本ルール
ベトナムでは土地は国家所有であり、外国人が土地を「所有」することはできません。外国人が取得できるのは「土地使用権(LUR)」と建物の所有権です。
購入可能な不動産は、商業プロジェクトのコンドミニアムと一戸建て住宅(1街区250戸まで)です。土地単独の購入や、ベトナム人からの中古物件購入は原則として認められていません。
所有期間は50年間で、期限満了6ヶ月前までに申請すれば、政府の承認を得て1回限り50年の延長が可能。つまり最長で100年間保有できます。ただし、延長は「権利」ではなく「申請」であり、政府が拒否する可能性もゼロではありません。
50年後に延長されなかったらどうなるんですか?
延長が認められない場合、物件は国有化されます。ただし、期限満了前に売却・相続・贈与は可能です。現実的には、政府が50年後に大量の物件を国有化するとは考えにくく、延長される可能性が高いと見られています。ただし、これは予測であり保証ではありません。リスクとして認識しておく必要があります。
外国人による買い占めを防ぐため、コンドミニアムは1棟あたり総戸数の30%までしか外国人が購入できません。人気物件は枠がすぐに埋まるため、購入前にデベロッパーに外国人枠の空きを確認してください。枠が満杯の場合、その物件は購入できません。
2024年法改正のポイント
2024年8月1日、不動産関連の3つの法律(土地法、住宅法、不動産事業法)が同時施行されました。
土地法(2024年改正)では、土地使用権の取得がより柔軟になり、外国人・海外居住者の権利が拡大されました。住宅法(2023年改正)では、外国人の住宅所有条件が明確化され、50年リースホールドの延長手続きが規定されました。不動産事業法(2023年改正)では、外資50%以下の企業は国内法人扱いとなり、未完成不動産の手付金は販売価格の5%までに制限され、書面契約が義務化されました。
これらの法改正により、法的透明性が向上し、投資家保護が強化されています。
2024年土地法改正により、海外在住のベトナム人(越僑:Việt Kiều)の土地使用権が大幅に拡大されました。ベトナム出身を証明できれば、国内市民とほぼ同等の権利が認められます。ベトナム系日本人は有利になる可能性があります。
中古物件は原則購入不可
外国人は原則として中古物件を購入できません。購入できるのは、デベロッパーから直接購入する新築物件に限られます。
例外として、外国人が所有している物件を別の外国人が引き継ぐ場合のみ可能です。ただし、この場合は前オーナーの残りの所有期間を引き継ぎます。新たに50年ではありません。例えば、前オーナーが30年間所有していた場合、新オーナーは残り20年間しか所有できません。
これはベトナム不動産投資の大きな制約の一つです。出口戦略(売却先)が限定されるため、購入時からこの点を考慮する必要があります。
法人名義での購入
外国法人がベトナムで不動産を購入する場合、使用目的が社宅に限定されます。第三者への賃貸は認められていません。
賃貸投資を目的とする場合は、個人名義での購入が必要です。法人名義で購入して賃貸運営することはできないため、投資スキームを検討する際は注意が必要です。
購入資格と手続き
購入に必要なビザは特に厳しくありません。有効なベトナムビザがあれば購入可能で、観光ビザ(1ヶ月〜3ヶ月)でも可能です。長期ビザは不要です。
ただし、購入後の管理・賃貸運営には現地に来る必要があり、長期的には管理会社やパートナーが必要になります。また、50年後の延長手続きなど、長期的な視点で計画を立てることが重要です。
購入の流れは、物件選定(外国人枠確認)→売買契約締結(手付金5%まで)→代金支払い(外国送金記録保管)→引き渡し・ピンクブック取得→土地使用権証書取得という手順です。
外国人個人の場合は、パスポート(残存6ヶ月以上)、ベトナムのビザ、資金送金証明(海外からの送金記録)が必要です。法人の場合は、会社登記証明書、代表者のパスポート、投資ライセンス(IRC)が追加で必要です。
他国との比較
ベトナムは「リースホールド」という点で、他の東南アジア諸国より制約が大きいです。
| 国 | 所有形態 | 外国人枠 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ベトナム | 50年リースホールド | 30% | 延長で最長100年 |
| タイ | フリーホールド | 49% | 完全所有権 |
| マレーシア | フリーホールド | 規制なし | 最低価格あり |
| フィリピン | フリーホールド | 40% | 完全所有権 |
| カンボジア | フリーホールド | 70% | 2階以上のみ |
タイ、マレーシア、フィリピン、カンボジアはフリーホールド(完全所有権)でコンドミニアムを取得できますが、ベトナムは50年リースホールドです。土地所有はどの国も外国人には認められていませんが、所有形態の違いは資産価値や出口戦略に影響します。
一方、ベトナムは経済成長率が高く(2024年GDP成長率7%超)、価格上昇の期待が大きいという魅力があります。リースホールドのリスクを理解した上で、成長に賭ける投資という位置づけです。
リースホールドのリスクを考えると、他の国の方がいいですか?
一概には言えません。ベトナムは2024〜2025年に価格が20〜40%上昇したエリアもあり、キャピタルゲインは魅力的です。リースホールドでも50年(延長で100年)あれば、実質的な投資期間としては十分という見方もあります。ただし、「完全所有権」を重視するならタイやフィリピンの方が安心でしょう。投資目的と期間に応じて選んでください。
まとめ
ベトナムでは外国人も不動産を購入できますが、制約があります。
- 外国人はコンドミニアム・一戸建てを購入可能
- 所有形態は50年リースホールド(1回延長可、最長100年)
- 土地所有は不可(土地使用権のみ)
- コンドミニアムは1棟の30%まで
- 中古物件は原則購入不可
- 法人名義は社宅利用に限定
- 2024年法改正で透明性向上
- 有効なビザがあれば購入可能
リースホールドという制約を理解した上で、投資判断を行いましょう。
よくある質問
外国人は50年間のリースホールド(土地使用権)で所有できます。1回限り50年の延長が認められており、最長で100年間所有可能です。延長には政府の承認が必要で、期限満了の6ヶ月前までに申請する必要があります。
いいえ、できません。ベトナムでは土地は国家所有であり、外国人が土地を「所有」することは認められていません。外国人が取得できるのは「土地使用権(LUR)」のみで、これは50年間のリースホールドとなります。
原則としてできません。外国人が購入できるのは、デベロッパーから直接購入する新築物件に限られます。例外として、外国人が所有している物件を別の外国人が引き継ぐ場合のみ可能ですが、その場合は前オーナーの残りの所有期間を引き継ぐことになります。
主なリスクは50年リースホールドの制約です。延長が認められない可能性(低いが皆無ではない)、中古物件が売れないため出口戦略が限定的、残年数が減ると資産価値に影響する可能性があります。また、外国人枠(30%)の制限や、法改正リスクにも注意が必要です。
はい、有効なベトナムビザがあれば購入可能です。観光ビザ(1ヶ月〜3ヶ月)でも可能で、長期ビザは必須ではありません。ただし、購入後の管理・賃貸運営には現地パートナーや管理会社が必要になります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
各国の法規制・税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。