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ベトナム不動産投資のリスク・失敗例|50年リースホールド・法的リスクを解説
東南アジア 投資戦略

ベトナム不動産投資のリスク・失敗例|50年リースホールド・法的リスクを解説

2025-12-29
2026-01-01 更新

ベトナム不動産投資のリスクと失敗例を解説。50年リースホールド、デベロッパーリスク、中古売却の制限、法的注意点を2025年最新情報で紹介。

「ベトナム不動産は利回りが高いって聞いたけど、リスクはないの?」

ベトナム不動産投資を検討する日本人から、よく聞かれる質問です。

答えは「リスクはある、しかも他国にはない独自のリスク」。特に50年リースホールドという所有形態は、投資判断に大きな影響を与えます。タイやフィリピンのフリーホールド(永久所有)とは根本的に異なるため、正しく理解してから投資する必要があります。

この記事では、ベトナム不動産投資のリスクと失敗例を詳しく解説します。

50年リースホールドが最大のリスク

リスク 深刻度 対策
50年リース 新築でフル取得
デベロッパー 中〜高 大手選定
外国人枠30% 事前確認
法改正 専門家相談

ベトナム不動産投資の最大のリスクは50年リースホールドです。外国人は土地を「所有」できず、土地使用権は50年間のみ(1回延長可、最長100年)となります。

これは単なる制度上の違いではなく、投資リターンに直接影響します。50年後の延長は政府承認が必要で、将来の不確実性があります。残年数が減るほど資産価値が低下するため、20年後に売却しようとすると残り30年の物件となり、買い手が限られます。

例えば、新築で50年リースホールドを取得しても、20年後に売却すると残り30年のみ。マレーシアやタイのフリーホールド物件と比較されると、価値が劣ると判断される可能性があります。

読者
読者

50年あれば十分じゃないですか?何が問題なんですか?

田中(海外不動産アドバイザー)
田中(海外不動産アドバイザー)

「自分が使う」だけなら50年で十分かもしれません。問題は「売却時」です。20年後に売ろうとしたとき、残り30年の物件を誰が買いたいですか?フリーホールドの物件と比較されると、確実に値引きを求められます。また、50年後の延長は「保証」ではなく「政府の承認が必要」という不確実性もあります。

中古物件の購入制限

外国人は原則として中古物件を購入できません。許可されるのは、外国人が所有している物件を別の外国人が引き継ぐ場合のみです。

2024年の法改正で外国人から外国人への再販売は自由化されましたが、ベトナム人が所有する中古物件は依然として購入不可です。これは「出口戦略」に大きく影響します。

売却時を考えると、外国人バイヤーは全体の30%枠内に限られ、しかも残年数を引き継ぐため、残り10年の物件しか買えない場合もあります。流動性が低いことを理解しておく必要があります。

外国人枠30%ルール

コンドミニアムの総戸数のうち、外国人が購入できるのは30%まで。人気物件は枠がすぐに埋まり、希望の物件が買えない可能性があります。売却時も外国人バイヤーに限定されるため、出口戦略が難しくなります。購入前にデベロッパーへ必ず枠の空きを確認してください。

デベロッパーリスク

2022〜2024年、多くのベトナムデベロッパーが財務難に陥りました。金利上昇と融資引き締めにより、多くのプロジェクトが停滞。Novalandは在庫が150兆ドン(過去最高)に達し、2024年に債務再編を余儀なくされました。

プレビルド(建築中物件)投資には特有のリスクがあります。完成までに2〜4年かかり、遅延も珍しくありません。完成品質が図面と異なる可能性や、市況変動で価格が下落するリスクもあります。最悪の場合、デベロッパー倒産で投資が失われる可能性もゼロではありません。

リスクを抑えるには、大手デベロッパー(Vingroup、Masterise Homes等)を選ぶか、完成済み(RFO)物件を検討するのが有効です。

読者
読者

デベロッパーの財務状況はどうやって確認できますか?

田中
田中

上場企業であれば財務情報が公開されています。Vingroup、Novaland、Phat Dat等は上場しています。また、過去の完成実績や遅延履歴も調べてください。2022〜2024年に問題が発生したプロジェクトを持つデベロッパーは注意が必要です。不安な場合は、完成済み物件を選ぶのが最も安全です。

法改正リスク

ベトナムは頻繁に法改正が行われる国です。2024年には土地法、住宅法、不動産事業法が同時改正されました。

今回の改正は外国人に有利な方向でした。外国人間の再販売が自由化され、情報公開義務が強化されました。しかし、将来の法改正で不利になる可能性、50年延長の条件変更、税制変更などのリスクは常に意識しておく必要があります。

購入時には必ず確認すべきことがあります。売買契約書(SPA)の内容、デベロッパーのライセンス、プロジェクトの法的承認(Investment License等)、土地使用権証書(ピンクブック)の取得手続きです。弁護士によるデューデリジェンスを行い、日系不動産会社を活用し、契約書の翻訳確認をすることが重要です。

よくある失敗例

失敗例1:「利回り5%」に惹かれて購入したが、50年リースホールドを軽視。20年後に売却しようとしたら、残り30年の物件は買い手が限られ、大幅値引きを余儀なくされた。

失敗例2:中堅デベロッパーのプレビルド物件を購入。2023年にデベロッパーが資金難に陥り、工事が2年遅延。物件は完成したが、当初の品質より劣る仕上がりだった。

失敗例3:物件を売却しようとしたが、ベトナム人には売れず、外国人バイヤーも限られるため、売却に1年以上かかった。

市場リスク

2024〜2025年、ホーチミン・ハノイで24〜47%の価格上昇が見られました。しかし、急上昇の反動リスクには注意が必要です。価格が下落する可能性、売りたい時に売れない可能性、賃料が下落する可能性があります。

2011〜2013年にはベトナム不動産バブルが崩壊した過去があります。急激な上昇は、急激な下落を招く可能性があることを忘れないでください。

賃貸投資では空室リスクも考慮する必要があります。エリア選びの失敗、物件スペックのミスマッチ、賃料設定が高すぎる、管理会社のマーケティング力不足などが空室の原因になります。賃貸需要の強いエリアを選び、事前に賃料相場を調査し、複数の管理会社から話を聞くことが対策になります。

読者
読者

リスクが多いですが、ベトナム不動産投資はやめた方がいいですか?

田中
田中

いいえ、リスクを理解した上で適切に投資すれば、ベトナムは魅力的な市場です。2024〜2025年の価格上昇は24〜47%と大きく、キャピタルゲインが期待できます。大手デベロッパーを選び、新築で50年リースホールドをフル取得し、長期保有すればリスクを抑えられます。ただし、50年リースホールドという制約を許容できるかどうかは、投資家自身の判断です。

リスク軽減のポイント

推奨される投資戦略は、大手デベロッパー(Vingroup等)を選ぶこと、新築物件で50年フル取得すること、賃貸需要の強いエリア(ホーチミン7区、トゥドゥック等)を選ぶこと、弁護士によるデューデリジェンスを行うこと、5年以上の長期保有を前提とすること、キャピタルゲインも含めた総合判断をすることです。

逆に避けるべきは、無名デベロッパー、プレビルドだけに依存すること、短期転売を期待すること、利回りだけで判断すること、リースホールドを軽視すること、法的確認を怠ることです。

まとめ

ベトナム不動産投資には、他国にはない独自のリスクがあります。

  • 50年リースホールド:最大のリスク、延長は政府承認
  • 中古物件の制限:外国人からの引き継ぎのみ
  • 30%ルール:外国人枠に制限
  • デベロッパーリスク:財務難・プロジェクト停滞
  • 法改正リスク:頻繁な法改正
  • 大手デベロッパーを選ぶ
  • 新築物件で50年フル取得
  • 長期保有を前提に

リスクを理解し、適切な対策を取れば、ベトナムは魅力的な投資先です。

よくある質問

Q
ベトナム不動産投資の最大のリスクは何ですか?
A

50年リースホールドが最大のリスクです。外国人は土地を所有できず、土地使用権は50年間(1回延長可、最長100年)のみです。50年後の延長は政府承認が必要で、将来の不確実性があります。また、残年数が減るほど資産価値が低下するため、売却タイミングも重要です。

Q
ベトナムの中古コンドミニアムを外国人が買えないのは本当ですか?
A

はい、原則として買えません。外国人が購入できるのは、デベロッパーから直接購入する新築物件か、外国人が所有している物件を引き継ぐ場合のみです。2024年の法改正で外国人間の再販売は自由化されましたが、ベトナム人が所有する中古物件は依然として購入できません。

Q
デベロッパーリスクを避けるにはどうすればいいですか?
A

大手デベロッパー(Vingroup、Masterise Homes等)を選ぶことが最も有効です。上場企業であれば財務情報が公開されています。また、法的承認を得たプロジェクトか確認し、過去の完成実績や遅延履歴も調査してください。不安な場合は、完成済み(RFO)物件を購入する方法もあります。

Q
ベトナム不動産投資で成功するためのポイントは?
A

5つのポイントがあります。①大手デベロッパーの新築物件を選ぶ、②50年リースホールドをフルで取得する(中古は残年数が短い)、③賃貸需要の強いエリア(ホーチミン7区、トゥドゥック等)を選ぶ、④弁護士によるデューデリジェンスを行う、⑤5年以上の長期保有を前提とする。短期転売は避け、キャピタルゲインと賃貸収入の両方を狙う戦略がおすすめです。


※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
各国の法規制・税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。